コミックマーケット当日、入場列が出来ていた。開場前から列を観察するギフト、研究は始まっていた。いよいよ、自然と拍手が起こる。来場者が始めたこの瞬間にもギフトは注目している。ギフトは20年に渡り、同人イベントの調査を行ってきた。年2回、開催され数十万の人が訪れるコミックマーケット。世界最大の同人誌即売会。同人とは同じ趣味を持つ愛好家の集まり。作品がずらりと並び売り買いや交流が行われる。2日間で約2万ものハンバーブース出展。参加費は1ブース7000円。かつては二次創作がほとんどだったが、今は一次創作が多く並ぶ。当初はマンガがメインのイベントだったが、自由の表現の場として作品のジャンルは多様化。さらに参加者同士の交流がイベントを拡張させてきたとギフトは語る。会場内のちょっとした変化もチェックを欠かさないギフト。
ギフトの専門はメディア文化学。近年はインターネットの普及が同人文化にどう変化を与えているのか注目しているという。ギフトが確認しているのは男女比。今回の来場者は圧倒的に男性が多いと分析。BLは女性の愛好家が多いことで知られる。BLブースが減ったことで女性が少ないのか。同人誌即売会に収まりきらず世界に飛び出し発展を続けているというのがギフトの見立て。トランスナショナル・カルチャーは一部地域の文化が世界に広まり各地で独自に変化する現象。インターネットの普及がこの現象を加速させているという。
日本文化が浸透するタイ。幼い頃からギフトは日本のアニメやマンガに胸ときめかせた。学生時代は同人誌も制作し日本文化に深く傾倒した。タイの最高峰チュラロンコン大学を首席で卒業し、東京大学大学院に入学。そして2020年、ギフトが書き上げた博士論文。テーマは同人音楽。同人音楽が日本エンターテインメント業界に変化をもたらしていると指摘。同人音楽が多くの人に触れる機会が生まれることで新しいモデルケースが出現した。新しいモデルケースからは流行に左右されない斬新な歌が次々と登場。ギフトは音楽業界の底上げができたと分析。マンガやアニメのように今や世界が注目するJ-POPでさえ原動力は同人だとギフトは指摘する。日本のポップカルチャーを同人視点からみるギフトの研究は出版業界からも注目され多くの執筆依頼が届くようになった。
ギフトの同人文化の歴史にまで及ぶ。コミックマーケットの歴史的資料が見られる図書館。資料を寄贈したのはコミケ創設メンバー米沢嘉博。注目したのは第1回コミックマーケット草案ノート。1975年、米沢は仲間とともにコミケを開催。第1回は会議室。参加者は700人。32のマンガサークルが出展した。規模は小さいが大盛況だったことがうかがえる。コミックマーケットは回を重ねるごとに来場者が増え2019年には史上最多の75満員が集まった。ところが2020年に新型コロナウイルスが世界的に流行した。休止期間、同人文化はインターネット上で存続していたが2021年、再開すると会場に人が戻った。同人イベントが支持され続けているのはなぜか。その鍵を握るのは人が集まるエリアにある。いたのはVTuber。ネット空間と実世界の融合とは。VTuberのアリシア・エクレールは3回目の参加。来場者の対応をする販売スタッフだけでなくバーチャル売り子としてモニターからVTuberが参加する。こうした形態が増えているのが近年の特徴だという。続いて話しかけた柚羽まくら。同人音楽の活動を積極的に行っている。ファンと話すことが大事だという。ギフトが注目したのは会話の内容だけでなくVTuberとファンの距離感。VTuberがコミケに参加することで同人文化に変化が起きているとギフトは言う。同人文化には2つのコミュニティがある。1つはネット空間、もう一つは実世界。同人作家は2つのコミュニティを行ったり来たりする。しかしネット空間から出ることが出来ないVTuberはネット空間ごと実世界に近づいたのだとギフトは指摘する。モニターがあるだけにみえるVTuberブースにこそコミケ存続の鍵があるのでは。同人イベントでのリアルの価値がネット空間にも及ぼしている。今回の調査で見えてきた1つの仮説。
ギフトの専門はメディア文化学。近年はインターネットの普及が同人文化にどう変化を与えているのか注目しているという。ギフトが確認しているのは男女比。今回の来場者は圧倒的に男性が多いと分析。BLは女性の愛好家が多いことで知られる。BLブースが減ったことで女性が少ないのか。同人誌即売会に収まりきらず世界に飛び出し発展を続けているというのがギフトの見立て。トランスナショナル・カルチャーは一部地域の文化が世界に広まり各地で独自に変化する現象。インターネットの普及がこの現象を加速させているという。
日本文化が浸透するタイ。幼い頃からギフトは日本のアニメやマンガに胸ときめかせた。学生時代は同人誌も制作し日本文化に深く傾倒した。タイの最高峰チュラロンコン大学を首席で卒業し、東京大学大学院に入学。そして2020年、ギフトが書き上げた博士論文。テーマは同人音楽。同人音楽が日本エンターテインメント業界に変化をもたらしていると指摘。同人音楽が多くの人に触れる機会が生まれることで新しいモデルケースが出現した。新しいモデルケースからは流行に左右されない斬新な歌が次々と登場。ギフトは音楽業界の底上げができたと分析。マンガやアニメのように今や世界が注目するJ-POPでさえ原動力は同人だとギフトは指摘する。日本のポップカルチャーを同人視点からみるギフトの研究は出版業界からも注目され多くの執筆依頼が届くようになった。
ギフトの同人文化の歴史にまで及ぶ。コミックマーケットの歴史的資料が見られる図書館。資料を寄贈したのはコミケ創設メンバー米沢嘉博。注目したのは第1回コミックマーケット草案ノート。1975年、米沢は仲間とともにコミケを開催。第1回は会議室。参加者は700人。32のマンガサークルが出展した。規模は小さいが大盛況だったことがうかがえる。コミックマーケットは回を重ねるごとに来場者が増え2019年には史上最多の75満員が集まった。ところが2020年に新型コロナウイルスが世界的に流行した。休止期間、同人文化はインターネット上で存続していたが2021年、再開すると会場に人が戻った。同人イベントが支持され続けているのはなぜか。その鍵を握るのは人が集まるエリアにある。いたのはVTuber。ネット空間と実世界の融合とは。VTuberのアリシア・エクレールは3回目の参加。来場者の対応をする販売スタッフだけでなくバーチャル売り子としてモニターからVTuberが参加する。こうした形態が増えているのが近年の特徴だという。続いて話しかけた柚羽まくら。同人音楽の活動を積極的に行っている。ファンと話すことが大事だという。ギフトが注目したのは会話の内容だけでなくVTuberとファンの距離感。VTuberがコミケに参加することで同人文化に変化が起きているとギフトは言う。同人文化には2つのコミュニティがある。1つはネット空間、もう一つは実世界。同人作家は2つのコミュニティを行ったり来たりする。しかしネット空間から出ることが出来ないVTuberはネット空間ごと実世界に近づいたのだとギフトは指摘する。モニターがあるだけにみえるVTuberブースにこそコミケ存続の鍵があるのでは。同人イベントでのリアルの価値がネット空間にも及ぼしている。今回の調査で見えてきた1つの仮説。
住所: 東京都千代田区神田猿楽町1-7-1
URL: https://www.naiki-collection.jp/
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