ターレと呼ばれる運搬車がせわしなく行き交った世界最大級の魚市場築地。最後の営業を終えてから5年半がたった。湾岸エリアの19ヘクタールという広大な土地に予定されているのは商業施設やオフィス。町を行き交うのはターレではなく空飛ぶクルマ。敷地の4割を緑化し、目指すのは「先進的な環境共生型の街」。目玉は約5万人を収容可能な多目的スタジアム。コンサートや野球の試合などの開催を想定。参加企業には読売新聞グループも名を連ねていて、プロ野球・巨人の新本拠地になるのではという憶測も。さらに地下鉄の新駅も計画されている。2040年の開業を目指す臨海地下鉄が東京駅から有明東京ビッグサイト駅までを結ぶ。豊洲市場への移転を巡っては方針が二転三転。当時は市場機能を築地に残す構想も掲げられていた。蓋を開けてみれば計画案に新たな市場はない。隣接する築地場外市場と連携して食文化を発信するとしている。