来週には、政府が放出する備蓄米の入札が始まるが、コメの獲得競争が激化している。きょうも国が消費者に冷静な行動を呼びかける中、早くも始まっているのが、ことし収穫されるコメを買い付ける動き。茨城県つくば市の農業法人で例年は夏ごろに多いという業者からの注文が、先月ごろから増えている。この日、焼き肉店の全国チェーン向けにコメを確保しようという卸売り会社との間で、40トンの売買が決まった。コメの確保に向けた動きは、日本一の産地、新潟県でも。JA全農の県本部が、農家に前金として支払う、ことしの概算金の目安を早くも固めた。例年は8月ごろに示されるものを、大幅に前倒した形で、農家に対し、各農協への出荷を促すねらい。来週10日には、国による備蓄米の入札が始まる。コメの販売店からは、価格が下がるのではないかと期待を寄せる声も。先月、生産者や卸売り業者などに調査した、向こう3か月のコメの価格の見通しを示す指数が、前の月から大幅に低下。調査した団体は、価格は今と同じ程度の高い水準で推移するものの、備蓄米の放出で、上昇の勢いが弱まるという見方が広がったのではないかと分析している。江藤農林水産大臣は、今後の価格の動向によっては、備蓄米のさらなる放出を含め、対応を検討していく考え。