糖尿病治療薬をダイエット目的で使用する人が増えている。背景にはオンライン診療の普及があり、病歴や妊娠の有無などについて回答するだけで薬が届くクリニックもある。厚生労働省が出すガイドラインには「文字・写真のみのやりとりで完結してはならない」と記載されているが、取材を行ったビデオ通話なしで薬を処方したクリニックは「十分に診察は行っていると考える」と主張した。ダイエット目的のオンライン診療に関するトラブルの相談件数は昨年度125件あり、前年度比は4倍。約9割が糖尿病治療薬に関する相談だったという。容量・用法が合っているのかなど診察が必要でオンラインでの処方は難しい、とと田中さんは話した。今後は高血圧や脂質異常症に対して保険適用範囲となる事例もあるので段階的に糖尿病以外への処方は増えていくと思われるが、慎重に拡大していくことが望ましいという。風間さんはこの薬が自由診療なら糖尿病以外にも処方可能であることに関して「医者が処方箋を金で売ったということになる」と話した。