関東・東北豪雨から10年。教訓をどう生かすか。4つに分けて説明する。1は想定外の雨量。この雨量をもたらしたものは「線状降水帯」。湿った空気が流れ込み、積乱雲が帯状に連なり通過または停滞することで強い雨を降らせる。9月9日から10日にかけての24時間で鬼怒川の流域平均雨量は410ミリに達した。当時国土交通省が想定した100年に1度の鬼怒川の流域平均雨量は326ミリだったという。短時間で強い大雨が降ったために鬼怒川の排水能力を上回ってしまったと考えられる。こうした極端な大雨は今後も増えるう傾向にある。後に当該地域に居住していた男女1000人に行ったアンケートによると30%が孤立していたことがわかった。そのうち7割が自宅で避難しなかったのは自宅が浸水するとは思わなかったという。自宅の浸水リスクはハザードマップで確認できる。関東・東北豪雨の被害は降水量こそ想定外だったが、浸水域は市によるマップとほぼ一致していた。しかし当時はハザードマップの認知度は低かった。