日中韓3か国の首脳会議では、FTA(自由貿易協定)の交渉を加速させることを確認した。日中韓のFTA交渉は2013年に始まったが、日中、日韓の政治的な関係悪化で2019年の交渉を最後に会合は開かれていなかった。FTAの交渉再開は、関税の削減や撤廃が大きな目的。日中韓はすでにRCEP(地域的な包括的経済連携)に参加しており、2年前に発効されている。幅広い品目で関税が撤廃されたが、日本が求めている自動車や部品の一部に対する関税は対象外。日本としては日中韓の枠組みで撤廃を目指すねらいがある。ただ、日本と中国との間には日本産水産物の輸入停止などの問題を抱えているため、こうした課題を乗り越えて交渉を進められるかが焦点となる。