最新のIT技術を使って動物のストレスを減らす試みも動き出している。焼肉トラジ直営の牧場が導入したのが、牛の行動を24時間撮影分析するサービス。牛が立ったり座ったり、尻尾をあげるといった分娩の兆候をAIが認識すると、メールで農家に通知する。導入を決断した最大の理由は牛へのストレス軽減。家畜に負担のかからない画像認識AIを使用した動きは広がりを見せている。畜産DXを手がけるエコポークは画像認識AIで繁殖豚の生殖器のふくらみや、赤みの変化から発情を検地する機器を開発中。現在、日本では母豚を1頭ずつ檻で囲んで飼い発情の有無を確かめるのが主流だが、実現すれば群れで飼育ができ、豚のストレスを減らせる可能性がある。技術の発展も追い風に日本でも広がり始めたアニマルウェルフェア。ただ、経営上の問題から対応に慎重な農家も少なくない。