能登半島地震で最大約4m隆起した能登半島。地震前までは石川県内最大の水揚げを誇ってきた輪島港も水深が浅くなり、約200隻の漁船が漁に出られない状態が。隆起の全容を解明しようと研究者が調査に乗り出した。九州大学で浅い海域の調査を専門に行う九州大学浅海フロンティア研究センター・菅浩伸教授。遊漁船に取りつけた装置から超音波を発射し、海底から反射された音波を捉えることで水深がリアルタイムで地図に映し出される。何度も往復を繰り返しながら水深を計測。調査を始めてから6時間。超音波が特徴的な地形を捉えた。高さ5mほどの段差が海岸線に沿うように一直線に続いている。今回の調査では、福島・輪島市の沖合で約2kmにわたってこれまで知られていなかった高さ3m〜4mほどの段差を発見。菅教授は地震で動いた活断層の一部の可能性もあるとしている。地震から4か月半がたっても漁に出られない状態が続く輪島港。菅教授は調査で得られたデータを海底地形図としてまとめ今後の安全な漁につなげてもらおうと近く公開することにしている。菅教授は「調査開始のタイミングがきっかけとなって船が出ていくことができれば」と話す。