きょうの為替の見通しについてSMBC日興証券・野地慎に聞く。予想レンジは157.20円~158.30円。日米ともに重要な経済統計の発表がないため、比較的落ち着いた動きとなりそう。引き続き、欧州の政治不安を拠り所とした史上変動には注意が必要。ユーロドルが大幅に売られれば、ドル高円安もあり得るが、クロス円の売りを返した円高に注意が必要だという。注目ポイントは、「投機筋の円買い戻しの可能性」。今は、日銀の利上げ、米国の利下げは、まだ遠い認識が強いため、ドル円は堅調に推移してる。現在の売りポジションの水準は2007年当時と同じということで、その時の投機筋の動きを見ることで今後の円の方向感を考えようと思う。2007年は、米株価のピークアウトとFRBの利下げ開始をキッカケに円が買い戻され、リーマンショックより、かなり前に投機筋は円外ポジションに転じていた。「円建てダウ」平均と「対外証券投資」を表した表を確認すると、2007年に米国株が大幅に下る局面では、国内投資の投資信託などの介役なども手伝い、日本の資金還流が起き円高が増幅した。今年については新NISAなど、主に家計を中心に投資信託を介した対外証券投資が活発化しており、これが大きな円安の要因となってる。