端午節の季節に合わせて中国各地でドラゴンボートの大会が行われている。水や雨を司る神聖な存在とされてきた竜の形をした船に10人以上が乗り込んで息を合わせて漕ぎ進める。住宅地を流れる小さな川で行われるレースもある。参加チームの多くが、漕ぎ手が住む地区ごとに編成される。地元の名誉と威信をかけた戦いが初夏の風物詩となっている。古代中国が発祥とされ、紀元前278年頃、楚の国の詩人・屈原が川に身を投げた時に人々が船で集まったとされ、ドラゴンボートの大会はこの時期に合わせて行われるようになったとされている。現存する最古の船は600年近く前に作られたとされ、現役で使われている。各地に伝わるドラゴンボートは国や地域の無形文化遺産として登録され、伝統文化を重視する習近平指導部がその意義を強調している。ドラゴンボートが盛んな広東省の仏山では、3年前から日中交流大会が行われている。ことしで4回目となる大会の日、日中双方から約450人が参加した。大会最多となる20のチームが参加し、多くが日本と中国の混合チームだった。ことしは、日系企業で働く若者を中心としたチームが優勝した。