きのう和歌山県のアドベンチャーワールドでお別れのセレモニーが行われた。会場に成長の記録が流れるとファンの目には涙が溢れた。愛くるしい姿で多くの人に元気を届けてくれた4頭のパンダ、最後の日を特別な思いで迎えた人たちがいる。パンダファン歴14年の松田和之さんはこれまでに撮った写真は50万枚以上。毎月必ず来ていたという大阪在住のパンダファン歴5年の後藤沙知さんは最後だからとパンダを育ててくれた飼育員にメッセージを渡したいという。そして迎えた最後の観覧日には1400人もの長蛇の列ができていた。日替わりの展示にも熱烈なファンが。そして、最後の別れを終えた人たちは「ラウちゃん、サイちゃんありがとう」「元気でいてほしい」など涙ながらに話していた。中国国外での繁殖に世界で初めて挑んだのがアドベンチャーワールドだった、1994年に2頭のパンダが来日。当初観覧者は少なめだったが2000年に来日した梅梅が良浜を産むと人気に火がついた。さらにその1年後には雄浜、2年後には隆浜、秋浜が誕生。ほぼ2年おきに赤ちゃんパンダが生まれ、白浜町はパンダの町として一躍有名に。母パンダの真似をしながら食事する姿や、お気に入りの遊具で遊ぶなど成長していく様子が誰をも魅了した。2020年に誕生した楓浜がアドベンチャーワールドで最後の赤ちゃんに。31年間で中国以外の施設では世界最多となる17頭の繁殖に成功した。その要因は雄永明の繁殖力はさることながら、メスの梅梅と良浜にも遺伝的な強さがあるのではと専門家は指摘する。パンダジャーナリストの中川氏は「梅梅のお母さんに蘇蘇というパンダがいた。瀕死の状態で野生で保護されたパンダ。治療のために麻酔を打たれて、3時間半の間呼吸が止まったがそれでも生き延びて生命力が強いパンダ。人間でいうと100歳近くまで生き延びたパンダ。その生命力が娘の梅梅とその娘の良浜にも受け継がれているのではないか」などコメント。カメラ目線を狙っていたパンダファン歴14年の松田さんは見事狙い通りの写真を撮影していた。一方、感謝のメッセージカードを飼育員に渡したいと言っていた後藤さんは無事手渡すことができた。そして最後の観覧が終了すると号泣している人がいた。実は彩浜が奇跡のポーズを見せていたのだった。
住所: 大阪府泉佐野市泉州空港北1
URL: http://www.kansai-airport.or.jp/
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