大型連休中の円相場について。日本は祝日でも、海外の外国為替市場は通常どおり取り引きされる。祝日だった先月29日は、1ドル=160円台まで円安が進んだあと、政府・日銀による市場介入とみられる大きな動きが2回あり、大きく円高方向に振れた。先週金曜日の5月3日にも、円高に動いた瞬間があった。これは米国で発表された経済指標に反応したためで、先月4月の雇用統計は、市場の予想を下回る結果だった。これを受けて米国の金利が低下し、日米の金利差の縮小から円が買われて、一時1ドル=151円台をつけた。恐らくあったとみられる市場介入により、極端に進んだ円安にいったんは歯止めがかかった形。しかし介入の効果は一時的で、じりじりと円安に戻っている。日米の金利差が依然として大きいことに加え、日本が貿易赤字で構造的に円安になりやすいという状況は続くため、当面は介入を警戒しながらの展開が続くとみられる。