101点の絵画がそれぞれ独立しながらも一連のストーリーを紡ぐ。その技法は、101点を2年をかけて鉛筆で描き、それをもとに2年の歳月をかけてカラー版を描いて完成させた。素描と比較すると、鉛筆による素描画からは創作の過程を物語る生々しさが伝わってくる。101点の中に楳図の心をつらぬく想いがあった。地下室に閉じ込められたまりんが道具もないのに必死で絵を描こうとする場面。絵の具の代わりに華の絞り汁をつかい、布で狭い部屋で黙々と描く。物語の結末では殿上人のおかげで念願が叶い人間になれることになったさとるとまりん。しかし、二人は人間にはならないと決めた。世界に奇跡を起こしたロボットの物語となった。