国際報道 (ニュース)
デミニミス・ルールというものがあり、金額が800ドル以下なら関税免除というもの。手続きを減らすことで、郵便や荷物のやり取りを活性化する狙いがある。このルールを利用し事業拡大してきたのが中国のネット通販。低価格の衣料品や生活用品を関税ゼロで大量に輸出してきた。このルールが適用された貨物は、10年間で10倍近くに増えて去年は13億6000万件にのぼる。この内3割以上をTEMUやSHEINの2社で占めると指摘され、関税制度の抜け穴としてルールを悪用しているとの批判が出た。そこでトランプ大統領は先月、このルールを改正する大統領令に署名。中国本土と香港からの輸入品については、今日から免税を取りやめ新たに関税を課すことになった。新たに課される関税は、申告額の120%、もしくは1件100ドルのいずれか。ネット通販によって事業拡大させてきた中国の企業は、ビジネスモデルの見直しを迫られている。TEMUとSHEINは先月25日からアメリカで販売する商品を値上げ。TEMUを通じて月7万本の魔法瓶を販売してきた浙江省のメーカーは、一部の取引先から出荷停止を求められサイトを通じた販売が半減。ヨーロッパや日本など新たな市場の開拓を進めているという。中国国内での販路拡大を支援する動きも。ネット通販最大手のアリババグループは、自社の通販サイトを通じて支援を始める他、スーパー大手なども国産品を店頭に優先的に並べるとしている。中国では、不動産不況の長期化で国内消費が伸び悩みデフレへの懸念が続いている。こうした支援が値下げ競争を招く可能性を指摘されていて、対策の効果が注目されている。