報道ステーション (ニュース)
高額な治療を受けた場合に患者の自己負担が重くならないよう医療費に上限を設けた高額療養費制度。政府はその上限額を段階的に引き上げる方針を固めた。患者への負担が増してしまう今回の見直しに当事者らからは不安の声が広がっている。千葉県に住む女性は29歳の時に乳がんと診断され一度は良くなったが6年前に再発した。現在はステージ4。内臓や骨への転移も見つかり3週に一度通院して治療を受けている。女性は高額療養費制度を利用している。女性の場合、将来的に毎月の負担額が6万円以上になる可能性がある。今、医療費の負担額が引き上げられようとしている大きな要因が一昨年、閣議決定されたこども未来戦略。当時の岸田政権は少子化対策などに投じる費用3兆6000億円のうち1兆1000億円を社会保障費を減らすことで賄うことにした。その中で具体的な削減対象として目を付けたのが高額療養費制度だった。医師らで作る団体は強く反発している。現在、年収に応じて負担の上限額が5段階に分けて定められている。それを細分化したうえで全ての人の負担を引き上げようというのが政府の考え。厚生労働省の審議会が引き上げの議論を始めたのは去年11月。結論を出したのは12月の末だった。国会では与野党から質問が相次いだ。政府は修正も視野に入れていて野党は早く決断するよう求めている。