NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
約30年前の外交文書が公開され、コメ輸入の日米交渉で厳しいやりとりが続いていたことがわかった。1993年の日米首脳会談で、アメリカ側はコメの市場開放を強く迫っていた。当時、宮沢首相は参議院で自民党が過半数割れしたことに触れ反対姿勢を示していた。また現地から外務省への報告では「コメについては取り上げなかったことになっている」と記されており、国内世論の動向に神経を使っていたことが分かる。
約30年前の外交文書が公開され、コメ輸入の日米交渉で厳しいやりとりが続いていたことがわかった。1993年8月発足した細川政権時に交渉が動いた。当時の首席交渉官は「日本の被害を最小限に食い止める交渉をまとめるかということだった」と話した。国内では農家などが反発しデモ活動などが行われた。最終交渉に当てっていた羽田外相の報告からは貿易自由化の流れを前に譲歩を迫られた実情が見て取れる。日本のコメについては全面的な市場開放はしない一方、一定量の輸入を義務付ける長生案が示され、実質的に妥協した。当時交渉に携わった専門家は、当時の日本の姿勢について「農業改革が遅れ競争力が伸び悩む要因になった」と指摘している。