クローズアップ現代 衆参で過半数割れ 政治はどう動く
野党の構図はどう変わっていくのか。比例での各得票数で、今回野党で一番多かったのは国民民主党、次いで参政党、立憲民主党となった。小嶋記者は「野党の中で主導権がどうなっていくかがポイントになる。これまで野党第一党の立憲民主党が調整役を担っていて、この役割は変わらないと思うが、今回の選挙で国民民主党と参政党が多く票を得たことで、立憲民主党が他の野党により配慮せざるを得なくなる場面も想定される」とした。参政党については、「参議院では法案を提出できる11人を上回った。参議院を中心に一定の存在感を示すということもありそう」とした。牧原氏は「自民党から離れた保守層が国民民主からさらに参政党に流れた。SNSで新しく政治に感心を持った層がいて、去年の都知事選以降の選挙はどれも投票率が上がっている。そうした中で新党ブームといえるくらい、様々な党が出ている。いまの政治の枠組みに対して新しい風を吹かせたいという期待があり、既成政党は動画サイトなどで応えられておらずストーリーがない。参政党の“日本人ファースト”はひとつのストーリーに見えるが、法案提出となると政策知識がいる。神谷さんの応対を見ていても参政党は政策への準備が足りない。地道に法案準備をして審議に入る、法律を作るなら他党との連携も必要で国会活動にしっかり取り組めるかがカギ」とした。
政治状況の変化が暮らしにどんな意味を持つのか。出口調査の結果では一番の関心事は物価高・経済。選挙期間中、政権与党は給付金を訴え、野党は消費減税などを訴えてきた。小嶋記者は「減税や廃止は各野党が訴えているが、考えに大きく隔たりがあり調整が必要。ただ、ガソリン税の暫定税率廃止は成立の可能性がある。この場合、現場や消費者が混乱しない対策を野党側に求められる」とした。牧原氏は「SNSが盛んになり、新型コロナなど様々な問題が出てくると多党制も決められる可能性がある。野党も今はかなり政策に責任をもって一定の判断をしようとしている。長期的な問題を考える枠組みをどのように作るか、野党が真剣に考える時がきている」とした。