Nスタ (ニュース)
ワシントン支局から中継。トランプ氏躍進の理由だが、経済と不法移民に焦点を絞って有権者に訴えたのが大きな効果を上げたといえる。トランプ氏の言動に眉をひそめる人は多くいるが、それでも物価高を考えたり、それから不法移民の大規模な流入に不安を覚えたりする人は全米に大勢いる。ハリス氏は候補者となって「過去に戻るのではなく新たなページをめくろう」と呼びかけて変化をアピールしたが、ハリス氏はバイデン政権の一員なので、支持を決めかねていた有権者たちが最後に変化を期待したのは、ハリス氏ではなくトランプ氏だった。まだ決着がついていない中西部ミシガン州では、ハリス氏に対する中東情勢を巡った批判票も伸びている様子で、出口調査を見ると黒人、若者、ヒスパニックという重要な3つがいずれもトランプ氏に票が流れているということが確認できる。選挙戦の中でトランプ氏は「ハリス氏がこの国を破壊した。我々はその全てを直すのだ」と言っていて、仮に今の勢いのまま勝利となれば、米国政府の大きな政策変更が起きるのは間違いない。不法移民対策やエネルギー政策だけでなく、貿易面では関税を積極的に課す方針を示している。国際連携には否定的で、例えばバイデン政権が進めたIPEF=インド太平洋経済枠組みを破棄すると言っている。分断が激しくなった中で融和に向けた動きが出るのかというのも1つの注目だが、これはなかなか考えにくい状況。トランプ氏は4つの事件の刑事被告人だが、事件を担当する特別検察官をクビにすると言っている。議会乱入事件で有罪となった人たちは「愛国者たちなんだ」と言って、恩赦をする方針も示している。それだけでなく、刑事事件などで自身を追い込んだ人たちに対する何らかの報復行為に出る可能性も懸念される。いずれもどうなるかはまだ分からないが、演説ではハリス氏に対する言及は一切なかった。分断の修復に向けた動きが出てくる気配は全く感じられない。