BS1スペシャル 独占告白 渡辺恒雄〜戦後政治はこうして作られた 平成編
話は政界再編に転換する。渡辺氏は自身が仕掛け人だったと話す。当時バブル崩壊後の後遺症、災害などに対応しきれない政治への失望感が世論に広がっていた。渡辺氏は与党野党を巻き込んで連立工作を仕掛ける。政権を奪取した橋本龍太郎率いる自民党は小沢一郎が率いる最大野党と連携するかと内部で激しく対立していた。その後、安全保障関連で連携するが野中広務氏は「大政翼賛会」のような形になってはいけないと批判し禍根を遺した。渡辺氏は翌年自自連立に動き、野中と小沢の関係修復をはかった。
渡辺氏は小沢と不倶戴天みたいな仲悪いのを一緒にメシを食わせて会わせ、小沢と野中を会わせ互いに「よろしくおねがいします」と言わせるようにし、腹を割って話せる関係になり、2人共根は善だと思ったという。当時について小沢一郎氏は自自連立について野中氏から話があり、国連中心の安保政策などを伝えたという。野中氏を支えていたこともある鈴木宗男氏は当時、裏で具体的に動いたという話は聞いていないが小沢氏は元々自民党にいた方だから何かしらのパイプがあっても不思議でもないなど話した。
1998年に自自連立が合意された。一方で自民党は公明党を連立の相手として引き寄せるという思惑もあり、自由党にはその緩衝材の役割を期待していた。その1年後自自公連立が合意され、今日まで続く日本政治の雛形がこのときに作られた。連立工作にも関わったのかと聞くと渡辺氏は創価学会の池田大作名誉会長と懇意していると話し具体的な言及は避けた。その後自由党は考えなどから連立から離脱した。
東京大学の御厨貴氏は渡辺氏の政治との独特の距離感について一般論は通用しないところまで突き抜けた、読売の社長であり筆政である、渡辺恒雄個人としてやれることはやりたいという所にいっちゃったんだろうと思いますと話した。