日本の伝統技術で開発 ロケットに搭載 人工衛星

2024年11月11日放送 11:09 - 11:14 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル ピックアップNEWS

アメリカ・フロリダ州で5日にスペースXのロケットが打ち上げられた。このロケットには日本の伝統技術を使った衛星を搭載されていた。木造人工衛星開発リーダーは宇宙飛行士・京都大学大学院特定教授・土井隆雄氏。土井さんは1997年には日本人として初の船外活動を行った。世界初の木で作られた木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」は、10cm四方で重さ1kgの人工衛星。京都大学と住友林業が4年前から共同で開発を始めた。従来の人工衛星は、役割を終えると大気圏に突入させて燃焼させるが、金属製の衛星では粒子が大気に残り、異常気象や通信障害を引き起こす恐れがある。一方、木造の衛星であれば完全に燃え尽き、地球環境汚染は起こさない。住友林業・苅谷健司氏は「木材は宇宙にとっても環境にやさしいし、強度もあるし、耐久性もあるところを(NASAに)お墨付きをもらう一番低いハードルが何かと考えた時に小型の人工衛星だった。」と語った。今回の木造人工衛星は通信ができるかといった試験的なものになる。木材への期待が高まる一方、肝心な衛星を作るためにはハードルも。温度変化が激しい宇宙空間では、木材が急激に伸び縮みし釘などでつなぎ合わせると衛星が破損する恐れがある。更には。有害ガスの発生が懸念されるため、接着剤も使えない。その難題を解決したのが、日本の伝統技術だった。滋賀・大津市「黒田工房」は、国宝など多くの文化財の修復も手掛けてきた。黒田工房・臼井浩明社長は「初めに聞いたときは、また冗談をみたいな感じでね思って。」と語り、超小型人工衛星に関して、当初半信半疑だったという。臼井社長は、桐のたんすなどに使われる釘や接着剤を使わずに組み上げる工法を用いた。だがここでもう1つ課題として浮かび上がったのが、壁面の厚み。NASAの基準に合わせ超小型衛星の1辺は、10cmでなければならない。衛星内部の構造が複雑になるにつれ、壁面を薄くするよう頼まれた。完成した木造人工衛星の最終的な壁面の厚みは、わずか4mmになった。LignoSatは、無事国際宇宙ステーションに到着し、来月宇宙空間に放出される予定だ。臼井社長は「工芸の世界でも初めてのことだと思うので感慨深いです。田舎町ロケットかな。」と語った。


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京都大学住友林業アメリカ航空宇宙局スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ大津市(滋賀)フロリダ州(アメリカ)黒田工房LignoSat

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