最高裁判決で揺れる米国 人工妊娠中絶めぐる波紋

2024年9月16日放送 12:40 - 12:44 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル 池上彰&増田ユリヤ 徹底解説

1973年に米国連邦最高裁判所は、中絶は憲法で認められた女性の権利だとする判断を示した「ロー対ウェイド判決」。しかし2022年6月24日、連邦最高裁はこの判決を覆し、その後、中絶の規制は各州の判断に委ねられることになった。この判決が出た翌日、2016年の大統領選挙で中絶反対を公約に掲げていたトランプ前大統領は「最高裁は憲法の勝利をもたらした」と述べた。この判決が、自身が最高裁判事に中絶反対派の判事を指名したことで可能になったと強調し、自らの功績としてアピールしていた。その後、保守的な南部の州の多くで中絶が禁止、または厳しく制限されている。トランプ前大統領が暮らすフロリダ州では、これまで妊娠15週よりあとの中絶を違法としていたが、今年5月からは妊娠6週よりあとの中絶を禁止する法律が施行されることになった。妊娠6週では妊娠に気づかないことが多いため、事実上の中絶の選択肢がないことに、中絶容認派からは反発の声が上がっていた。こうした反発を受け、フロリダ州では11月の大統領選挙にあわせて、これまでの州法を緩和し、妊娠24週ごろまでの中絶を認める州憲法改正の住民投票が実施されることとなった。この件について先月29日に、トランプ前大統領がNBCテレビのインタビューで「中絶可能な期間が6週間というのは短すぎる」と、中絶容認派へ配慮する意向を示していた。しかしこの発言を受けて、トランプ前大統領を支持する中絶反対派から「裏切り」との怒りの声が上がると、その翌日にはFOXニュースのインタビューで「私は反対票を投じるつもりだ」と発言。選挙をめぐって主張が定まらないことに、批判が集まっている。


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