川島明の辞書で呑む (川島明の辞書で呑む)
今回は「く」から始まるワードを紹介していく。「苦爪楽髪」は苦労しているときは爪ののび方がはやく、楽をしているときはかみの毛ののび方がはやいことを意味する言葉。。一説には江戸時代、爪を手仕事ととらえ職人が苦労していることを表現したとされている。同じ意味で「苦髪楽爪」という言葉もある。一行は苦爪楽髪的なエピソードを披露。薄幸はタバコの銘柄が苦楽のバロメーターだと明かし「苦セッター楽ニッシモ」と名付けた。
「ぐりはま」はハマグリの倒語。物事の結末が期待した内容と全く反対になることを意味する言葉。。ハマグリは平安時代、貝合わせという遊びで使われた。片方の貝殻を逆さにしても合わなくなることから江戸時代には食い違って合わないことを「ぐりはま」と言い始めた。川島は中山秀征から「六本木」の業界用語は「アーホンギ」だと教わったと話した。「ぐれる」の語源は「ぐりはま」。
「株を守る」は旧習にこだわって臨機応変の処置の出来ないことを意味する言葉。切り株に勝手にぶつかって死んだウサギを手に入れた農民が楽してウサギを得ようと働くことをやめて切り株を見張って暮らしたという中国の故事から生まれた。童謡「待ちぼうけ」も「株を守る」の元となった故事をヒントにした童謡。
「クオリア」は目や耳などを通して受け止めるものの感じを意味する言葉。質を意味するラテン語の名詞に由来した言葉で4世紀の書物にも登場する。一行は熱湯風呂に落ちて「嬉しい」と思うのは芸人のクオリアなどと話した。