ストレイトニュース (ニュース)
日本テレビ国際部・小坂未那の解説。今週、気候変動への対策などを話し合う「COP29」が始まった。今、本腰を入れなければ本当に取返しがつかなくなると言われている。世界の平均気温“上昇幅”(産業革命から、バークリーアースによる)を紹介。ここ50年ほどで急上昇している。背景にあるのは二酸化炭素、温室効果ガスの「二酸化炭素」。世界の二酸化炭素の排出量は今年、過去最高になる見込み。WMO(世界気象機関)は11日、2024年1〜9月までの平均気温が+1.54℃と発表(産業革命前と比較)。2015年のパリ協定では「産業革命以降の気温の上昇幅を1.5℃以内に抑える」という国際的な目標が掲げられている。この数字を超えてしまうと、人間の努力ではどうにもできなくなり、「気候変動による悪影響がはるかに大きくなる」とされている。その影響が異常気象として表れている。先月、スペインでは洪水で200人以上が亡くなった。今、世界中で洪水や熱波、干ばつ、森林火災が多発していて、多くの犠牲者も出ている。さらに今、問題となっているが気候変動の被害を受けやすい人と受けにくい人の格差で、「気候アパルトヘイト」と呼ばれている。「アパルトヘイト」は分離を意味する言葉で、先進国(富裕層)と発展途上国(貧困層)との間にある格差が気候変動が原因でさらに拡大してしまう。例えば、暑ければエアコンをつける、洪水が起きれば丈夫で高い建物に避難するといった、私たちにとって当たり前のことができない国が多くある。発展途上国は災害を凌ぐ手段がそもそも少ない。加えて、気候変動が原因で家が壊れて住めない、食料確保ができない、感染症がまん延しやすいなど、さらに貧困化が激しくなるという問題もある。先進国は二酸化炭素をより多く排出していて、発展途上国はあまり排出していないという矛盾もある。対策について。先進国が発展途上国に対して、気候変動の被害を埋め合わせるための基金、“ロス&ダメージ”ファンド(=「損失と損害」基金)がある。各国の二酸化炭素の排出量、「損失と損害」基金(計1050億円)の拠出額(多い国順)を紹介。日本の基金への拠出額は15位。気候変動のしわ寄せについて。私たちの一人一人の意識だけではなく、大きな力を持っている政府や企業の姿勢が変わっていく必要がある。