モーサテ 大浜見聞録!
日本の電源構成では火力発電が66.2%となっている。今回、JERAの奥田社長に、火力発電の脱炭素戦略を聞く。JERAは、東京電力・中部電力の火力発電・燃料調達事業を統合した発電会社で、26か所の火力発電所を持ち、国内総発電量の3割を担う日本最大の発電事業舎となる。JERAは、脱炭素を加速化させるため、再生可能エネルギーなどに5兆円を投資するという。奥田社長は「再生可能エネルギーは、自然条件によって発電量が大きく変動します。何かで足りなくなった電力をカバーしなければ停電してしまうんです。今は、ほとんど火力発電でカバーしており、火力発電の良いところを生かしながらゼロエミッション化していく」などと話している。愛知・碧南市の碧南火力発電所は、今年、石炭の20%を燃やしてもCO2の出ないアンモニアに置き換える実証実験に成功している。現在、商用化に向け、大型のアンモニアタンクを建設している。碧南火力発電所の年間総発電量は約300億kWhで、CO2排出量は日本全体の約2%となっていた。アンモニアを燃料にした発電の技術開発を担っているのがIHIでだが、アンモニアの供給量が足りないという課題を抱えている。JERAは、国際的ネットワークを生かしたアンモニアのサプライチェーンを構築し、アンモニア調達の取り組みを始めている。また、三菱重工業は、すでにLNGの30%を水素に置き換えて発電できるガスタービンの開発に成功している。