報道特集 (特集)
裏金問題で自民党本部から非公認とされた高木毅元復興大臣。いわゆる安倍派5人衆の中で唯一、落選。自民党が党勢拡大のために非公認の候補者の支部に交付金を支給したとする通知書。金額は2000万円。支給されたのは公示翌日の10月16日。石破総理大臣は「非公認候補に出しているのではない。選挙で使うことはまったくない」と述べた。しかし「報道特集」の取材で、高木元復興大臣の支部では非公認候補にもかかわらず、資金が党勢拡大ではなく、選挙に使われていた疑惑が浮上。高木元復興大臣の自民党福井県第二選挙区支部には、計16の地域支部が存在。高木元復興大臣を支援した少なくとも7つの支部に合計410万円が支給され、そのうち3つの支部は公示後の10月17日に振り込まれていた。高木毅元復興大臣の選挙区支部から資金を受け取ったという自民党小浜市支部・本田真希雄支部長が「報道特集」の取材に応じた。自民党本部から高木氏元復興大臣に振り込みがあった翌日の10月17日に90万円が振り込まれていた。本田支部長は「事務所は持ってくれ。活動費は全部領収書持っておいてくれ。その分は渡すという話で動いていた」と語った。指示していたのは高木元復興大臣の秘書。90万円の使いみちについて、本田支部長は「(高木元復興大臣が)遊説に来て小浜でご飯を食べる時はその中から出して」と語った。「報道特集」は先月、高木元復興大臣が昼食を取る場面を取材。高木元復興大臣や陣営スタッフのこの弁当代も90万円から支出されていた。支部長は、この金は当然高木元復興大臣の選挙活動の資金と思って使っていたと話した。さらに自民党武生市支部には130万円が振り込まれた。自民党武生支部長(福井県議会議長)・宮本俊氏。高木毅元復興大臣の選挙期間中には高木元復興大臣を強く支援。130万円は何に使ったのか。電話取材に応じ、宮本氏は、武生市支部は福井県第二選挙区支部から選挙の資金は来てるのか?「来ていると思う。活動費ということで」と語った。宮本氏は振り込まれた金は前回の衆院選前に配られた活動費と同額だったため、今回も選挙活動に使ったと話す。高木元復興大臣の支部からの金を選挙活動に使ったと証言する支部はほかにもある。高木元復興大臣を支援した三方支部。40万円が支給された。自民党三方支部(福井県蓮副会長)・松本孝雄氏は「(活動資金は)選挙しかない。選挙資金だと認識している」と語った。
自民党本部からの2000万円は今回の選挙では使わないと公言していた高木元復興大臣。選挙活動には本当に使っていなかったのか。高木元復興大臣は2000万円から地域支部に支出したのではないと否定。高木元復興大臣は自民党本部から支給された金以外の資金が支部にあるとしたが、高木元復興大臣は4月4日、党員資格停止を受け、福井市選管によると5月20日に選挙支部を一度解散。収支報告書では解散時の残金が0円だったという。その後、衆議院が解散された10月9日に再び支部が設立された。取材では、10月17日までの8日間に7つの地域支部に計410万円が振り込まれていた。高木毅元復興大臣を支援した地域支部には振り込みがあった一方で、支援していない2つの支部には支給されていないことも分かった。そのうちの1つが今回、同じ選挙区から出馬し、高木元復興大臣と対立した山本拓氏が支部長を務める鯖江市支部。山本拓氏の息子で、自民党福井県議・山本健が取材に応じ「選挙を応援してもらうための費用と見られても致し方ないと誤解が生じる」と語った。前回の衆院選では支給があった鯖江市支部だが、山本拓が出馬したことが振り込まれなかった理由だという。山本県議は「党勢拡大という趣旨に沿っていないと思う」と語った。更に支部として高木元復興大臣支援をしないと表明していた自民党池田町支部会計責任者・松井靖明氏は「入金はない」と語った。高木元復興大臣の支部が地域支部に支給した資金の原資は何か。事務所への取材に書面で「選挙運動費用に使用することはしていない」との回答があった。