ワールドビジネスサテライト (ニュース)
今週月曜まで開かれた中国のネット通販で最大のイベント「独身の日セール」。かつては数日間だけのセールだったが、消費の底上げを狙うべく今年は、およそ1か月にまで期間が拡大された。ネット通販最大手のアリババは6450億円もの割引券を配布。さらに政府の補助金も追い風となりセール期間中の各プラットフォームの取引額は合計で、約31兆円と去年より約27%増えた。今日、発表された10月の経済統計でも小売売上高は1年前に比べて4.8%のプラスと前の月より大きく改善。中でも家電製品は、およそ4割も上昇している。セールに参加したパナソニックは洗濯機や冷蔵庫など補助金の対象商品を中心に売れ行きが好調だったという。懸念も残る一方で新たな市場に活路を見い出す中国企業もある。深センに本社を置く、Ulikeは家庭向けの美容機器で急成長中のブランド。海外販売の割合は売り上げ全体のまだ1割弱。これを2年以内に、半分にまで引き上げるとしている。こうした動きを後押しするのがネット通販最大手のアリババ。国内の消費低迷やネット通販の成熟を受け企業の海外進出をさまざまな面で支援している。配送の利便性強化に加え、通販サイトの多言語化を進めるなど多額の投資をしているという。さらに先月には日本で新たなネット通販のプラットフォーム「TAO」をスタート。アパレルや雑貨などを中心におよそ300万点以上を取り扱う。AIが客の好みを分析し、その人にあった商品を提案。中国からはTemuやSHEINが格安商品を武器にサービスを展開しているが、非常に安く多くの問題があるとし、日本の客が関心を持つ商品の安全と品質に対して厳格に管理しているという。