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日銀が前回利上げを行ったのが今年7月だった。次は12月か1月のどちらだというのが市場の関心どころになっている。そのヒントがあるのではと注目されたのが、先週の植田総裁の講演。2回(11月18日・名古屋・金融経済懇談会、11月21日・フランス大使館)あったが、今回注目されたのは訳がある。今年8月の株価大暴落。日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録した。これは直前、7月末の日銀の利上げが市場にはサプライズだったこともきっかけの1つではないかと言われている。日銀自身もこの時はコミュニケーションには課題があったと認識しているので、次に利上げを行う前には何らかのメッセージがあるだろうと市場は見ている。結論を言うと、肩透かしを食らった形になる。名古屋の講演では利上げのタイミングについては「先行きの経済、物価、金融情勢次第」と発言した。フランス大使館での講演では「次回の会合での結論を予期するのは不可能」と話した。これはどっちなのか、明確なヒントはなかった。専門家の日銀ウォッチャー、UBS証券・足立正道チーフエコノミストは次のタイミングをどう見ているのか聞くと、12月の利上げについて「日銀はすでに来年に向けた賃金ダイナミクス(上昇の動き)を前向きに展開している」と認識しており、「予期せぬ市場の混乱が起こらない限りは12月に利上げをする」と話していた。一方でSMBC日興証券・丸山義正チーフマーケットエコノミストは「植田総裁が米国経済を丁寧に点検と論じたことは、追加利上げを急いでない証左、円安が進行しない限りは1月利上げがメインシナリオ」としている。次回の金融政策決定会合は12月18日と19日。それまでにどんなメッセージを出してくるのか、注意深く見ていく必要がある。