サタデーウオッチ9 Bizトレ
東京・銀座の寿司店で握るのは全員20代の社員。寿司職人は10年の修業が必要とも言われ、下積みの長さから辞める社員があとを立たなかった。そこで一昨年、修行しながらすしを提供する店を作った。銀座おのでらの坂上暁史統括総料理長は、見えないところでもがき苦しんで可能性のある子を失ってしまう、そういうことを早くに防止しようと、と意図を語る。価格は高級店の3分の1。客の反応を見ながら指導を受けることで職人としての成長も早いという。約730店舗を展開する外食チェーンでは、従業員の調理技術の向上に力を入れている。若手から店長まで参加。どの店舗でも質の高い料理を提供することが狙い。王将フードサービスの渡邊直人代表取締役社長は、人材の育成はそう簡単にいかない、やっぱり時間はかかったという。90年代以降、景気が低迷する中で、日本企業の多くは人への投資を抑制したと指摘されている。厚生労働省の交差によると、指導者不足は時間がないと言った理由もあると見られている。深刻な人手不足やデジタル化など社会が変化する中で重要性が今見直されている。法政大学 経営大学院の山田久教授は、人材投資がカギ、成長していくには必要なこと、などと解説していた。
甲府の会場では、従業員のスキルを高めることで、企業の収益向上や賃上げを実現しようという取り組みが行われている。この講座を企画したのは山梨県。山梨・市川三郷町の創業136年の祝儀袋などを手掛けるメーカーでは、今後専門的な知識を持つ従業員を育てていくためにも県の講座に期待しているという。県は成長を促し賃上げにつなげることが狙い。山梨県 労政人事育成課の小林孝恵課長は、働く人が経済的に安心、安定して生活できるようなところを目指して頑張っていきたい、と話していた。