阪神・淡路大震災30年 “畳のぬくもり届けたい” 全国に広がる思い

2025年1月16日放送 5:18 - 5:24 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (特集)

阪神淡路大震災からあすで30年。先月徳島市で行われた南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練が行われた。避難所に見立てた体育館に運び込まれたのは畳。災害時に畳を避難所で無償で届けるプロジェクトのメンバー・前田敏康は神戸市で畳店を営んでいる。阪神淡路大震災のとき、父・義正が畳を届け続けてきたという。父を誇らしいと思った敏康は当時銀行員だったがやめて畳店で働くことを決めた。2011年の東日本大震災で、現地で子ども連れの女性から畳があったら子供を寝かせることができたのにとの話を聞いた。畳が苦しんでいる人を救えるのではないかと思い、前田はたった一人で畳を無償で届ける活動を始めた。最初に活動した2014年の長野県北部で起き地震では地元の2つの畳店が仲間に加わり畳40枚を被災地へ。さらに仲間は増え、2015年の関東東北豪雨では30の畳店で217枚を被災地に届けた。熊本地震で約6000枚の畳が集まるなど徐々に支援の輪が広がった。今では515の畳店がプロジェクトに参加。材料費などを提供する企業も現れた。これまでに約1万枚が被災地に届けられたという。定例のオンライン会議で能登半島地震があった石川県の畳店から「被災者が本当に喜んでいた」とうれしい言葉が届いた。敏康は困った人がいたら自分の得意なことで手を差し伸べるこれを続けていくだけだと話す。


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