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5類感染症には、インフルエンザや新型コロナが分類されている。先週、厚労省の官報に、5類に「急性呼吸器感染症」が付け足された。急性呼吸器感染症とは、鼻や喉の感染症の総称で一般的な風邪も含まれるという。厚労省は、来年4月から、5類感染症に風邪を加えることを発表した。風邪の原因の約90%がウイルスで、そのウイルスの種類は数百以上に及ぶ。新型コロナやRSウイルスなども風邪の仲間。重症化の恐れがあるため5類に分類されている。それ以外のウイルスによる風邪は軽症で済む場合が多く、含まれていなかった。厚労省は、風邪の発生状況を把握することで、未知の呼吸器感染症の発生を早期に検知でき、パンデミックなどの対策をスムーズに行えるためとしている。隠れインフルエンザ、隠れ新型コロナを拾い上げるということにもなるという。積極的に検査することで、隠れインフルエンザなどを減らせる。危険度が上がったわけではないため、会社や学校を強制的に休む必要はない。医療機関からは「負担が増える」など反対意見もある。報告が必要なのは定点観測が定められた医療機関に限る。いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤院長は「費用の面、手間暇、時間、患者も医療機関も負担になる」。感染症の種類を分類するための検査が増えることで、診療代が高くなったり、待ち時間が長くなったりする可能性も懸念されるという。大川こども&内科クリニックうさぎのママではインフル、新型コロナ、RSウイルスなど感染症別に部屋を分けて保育。検査が厳格化された場合、何種類もの感染症が同時に出たら、さらに部屋を分ける必要が出るかもしれないという。厚労省は医療機関の懸念に対し丁寧に説明していくとしている。今後、風邪を予防するワクチンの開発にも期待できるかもしれない。