明日をまもるナビ (明日をまもるナビ)
ことし3月、南海トラフ巨大地震の新被害想定が公表された。最悪の場合、死者は29万8000人にのぼるとされている。2010年以降に起きた5つの災害をヒントに、災害への備えを考えていく。東日本大震災では、マグニチュード9.0の地震と大津波で、死者・行方不明者は2万2000人以上にのぼった。矢守は、地震や津波の規模、犠牲者の数、何もかも想定外だった、これからの災害を考えるうえでベースにしなければならない災害だなどと話した。2018年の西日本豪雨と2019年の台風19号では、記録的な大雨で河川の氾濫や土砂災害が発生した。矢守は、2つの災害で共通して言われたのが「観測史上1位」という言葉、雨の降り方や気温の上がり方、いまだかつてないのオンパレード、災害被害が出やすくなるなどと話した。熊本地震では、熊本県と大分県にかけて、震度7を2回観測した。能登半島地震では、発災の数年前から震度6弱以上の地震が毎年続いているなか、去年元日に震度7を観測する地震が起きた。矢守は、2つの地震には、被害の出方に共通点があり、犠牲者全体に占める災害関連死の割合が5割以上にのぼる、熊本地震は8割を超えているなどと話した。5つの災害を通して、矢守は、社会の弱点を災害はピンポイントで襲ってくる、過疎・過密地域では注意が必要だ、複数の災害が続けて起こったり、ひとつの災害が別の災害のトリガーになったりする、そうした複合災害にも注意が必要だなどと話した。いとうは、災害時の情報について、公の役割が重要になる、人々が「この情報だけは信じられる」と思えるように、公が日頃からアピールしたほうがいいなどと話した。南海トラフ巨大地震では、津波による死者数は、早期避難意識が低い場合約21万5000人で、全員が発災後10分で避難を開始した場合は約7.3万人に減ると試算されている。矢守は、想定内の対策をしっかりやることが重要だ、これまでの災害を学びにして、想定内を繰り返さないことが重要であると同時に、想定外に対するイマジネーションをふくらませることも重要だなどと話した。