ワールドビジネスサテライト WBS X
過去の成功体験に固執したことが敗戦につながったといわれる日本軍。その教訓を現代に企業経営に生かした会社「アースブレイン」。オフィスにあるのはヒト型ロボット。アースブレインでは建設機械向け遠隔操作システムを独自開発し建設会社などに販売。アースブレインはコマツの一部門が分社化して設立した会社。創業100年超のコマツの売上高は4兆円超えで「ハード」開発で世界に販路を広げてきたが、デジタル時代に対応していく中で課題も浮上。コマツから転籍した伊吹憲哉さんは「建設機械の開発とソフトウエアをアップデートしながら客に価値提供していくプロセスが違う。早くやりたいのにスピード感がなくてもどかしい思いがあった」と語った。完成まで5~6年かかる建設機械の開発とソフトウエアの開発は全く違うため、組織のあり方を大きく変える必要があった。
分社化を決めたコマツ・小川啓之会長に話を聞く。「失敗の本質」からヒントを得たという小川氏は「成功体験への固執のリスクからスタートしている。コマツはプロダクトにフォーカスしたビジネスをずっとやってきたが、ソフト開発は世に出して不具合があれば直していく。そういった開発のやり方は(コマツ)本体にいると難しい。開発スピードを上げていかないと(他社との)差別化は難しい」と語った。NTTドコモのグループ会社などとアースブレインを立ち上げ新たな人材とともにサービスの開発を進めている。