国際報道 INTERNATIONAL NEWS REPORT
EUは日本と共に東南アジア5か国の当局者などを対象にグレーゾーン事態への対応を学ぶ研修をタイ・バンコクで2日間の日程で始めた。グレーゾーン事態をめぐっては沖縄・尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海に侵入したりヨーロッパで海底ケーブルの損傷事案が相次いでいる。研修にはフィリピンやベトナムなどの海上保安当局者が参加しEUの法律顧問や、日本の海上保安大学校の教授などが講義を行った。講義では国際法を順守することや領海に侵入した船に対しては事態の緊迫化を防ぐため軍ではなく、海上保安当局が法律に基づいて対応することの重要性が説明された。EUとしてはこうした研修会を開くことで、中国を念頭に国際的なルールの尊重を東南アジア地域で広く訴えるとともに、この地域への関与を強める狙いがあるとみられている。