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中国の消費者物価指数は、消費の弱さなどを背景に低い水準が続いている。そのような中、中国の消費者が求めているのは、安くて価値があるコスパ(コストパフォーマンス)。日本企業もねらいを定めている。中国最大の経済都市、上海。若者でにぎわうのは、去年オープンした中国の外食チェーン店。豆腐やマッシュポテトなどの具材を麺と混ぜて食べる独特の料理。値段は日本円でおよそ400円からで、野菜や調味料などのトッピングや麺のお代わりも無料。以前はぜいたくな消費ぶりをアピールする人が目立った中国。今、SNSなどで話題なのは「窮鬼套餐(=貧乏人セット)」という言葉。若者の間では、コスパの良さを自慢する動きが広がっている。
節約志向が高まる中国に、新たに進出した日本企業もある。手ごろな価格とこだわりの店舗体験で、中国市場に挑む日系の外食チェーン。この店が提供する焼き肉丼は、炭火を使って調理するが、価格はおよそ600円と中国のファストフードと同じ水準。会社ではデフレ経済が続いた日本での経験が、中国でも生かせると考えている。
一方、消費の現状を踏まえ、戦略を変化させる企業もある。家具日用品の大手では、去年末から段階的に商品全体のおよそ7割にあたる品目で定価を2割ほど引き下げた。販売する商品の8割を中国で生産し、輸送コストを抑えている。中国の店舗数はことし6月には100店舗に増加。今後はさらに加速させ、来年3月までに140店舗余りとする計画。