2024年3月14日放送 23:16 - 0:05 テレビ東京

カンブリア宮殿
【“常識破り戦略”で快進撃!ニッポンのものづくりを支える革命児】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(カンブリア宮殿)
現場の悩み解消で絶好調!苦悩の業界でも儲かる秘密

今夜は現場の仕事を支える企業を紹介。最近配送の現場で引っ張りだこになっているのは台車。これが現場の悩みを解消してくれるというが一般的な台車と比べると運ぶ際に音が大きい。しかしこの台車は音が抑えられる。これにより騒音のクレームなどがなくなったという。静かな秘密は衝撃を吸収する樹脂素材のタイヤを使用し、底板に隙間を作り音の反響を軽減している。また重さは一般的な台車よりも4キロほど軽い。静かで持ち運びができると累計60万台の大ヒットに。この現場が喜ぶ商品をつくる会社がトラスコ中山。新橋の本社では新商品開発会議が行われていた。提案されたのは高所作業などで使用されるベルトと工具を繋いでおく安全ロープ。現行品は十年前の商品で、ロープがコイル状になっていて絡まりやすい欠点があった。田辺が考えたのはストレートなゴムタイプの製品で絡まりにくく今までより少ない力で伸びるように。その社員の開発したものを指摘していたのは社長の中山哲也。

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トラスコ中山港区(東京)

トラスコは自社ブランドの商品も作っているがビジネスの本丸は問屋業。全国のホームセンターや商社に工具や部品を販売するBtoBの企業。多くの業界で問屋が減る中で売上は2600億円。中山が使うのは常識破りの戦略。訪ねたのは埼玉県にあるトラスコ国内最大級の倉庫。ここだけで59万種類、658万個の在庫を抱えている。中には工場に貼られる看板などの現場で使うありとあらゆるものが置かれている。

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トラスコ中山プラネット埼玉幸手市(埼玉)
「在庫は少なく」は間違い メリットだらけの大両在庫

トラスコ中山では12mのはしごなど滅多に売れないものも販売しているという。客の要望にすぐに応えられるように在庫を大量に持っているが過剰在庫は悪という常識を破り今も在庫を増やし続ける。その結果トラスコを頼る会社が増加し取引先は5600社に拡大した。便利さが認められて今ではライバルの問屋からも注文が入るという。これだけ在庫を持ちながら、商品廃棄率は0.1%ほどでほとんど無駄がでていない。この膨大な在庫を実現するためにトラスコは収納にも独自の力をいれて最先端のシステムを導入している。ピックアップのロボットが動く売れ筋商品を保管するコーナーでは通常棚の両脇に通路があるが、トラスコはそのスペースをなくしてぎゅっと固めて商品を置く高密度収納を実現。この収納は作業効率も抜群で、上から5番目の商品がいるときはロボットが4番目までの商品を上に引き上げて脇に置いておく。そして5番目をピックアップし運搬。人手を掛けずに運搬が可能。他にも商品のサイズや出荷頻度によって5種類のハイテクシステムを導入。こんなやり方で大量在庫を実現。大量在庫を生み出す最大のメリットは即納。即納品のことで、それを実現するために業界では少なくなっている自社物流にも力を入れる。自前のトラックで配達に向かったのは、金属加工の工具などを扱う会社。現場から特殊な刃物の発注があり、メーカーではなくトラスコを頼ってきたという。こんなことを可能にしているのは一日に2回同じ取引先を回るルート配送。一見無駄がでそうだが合理的で、注文のたびにコストと人出をかけて配送しなくて済む。午前11時までに注文すれば午後に納品してくれ、夕方六時までの注文は翌日の午前に納品してくれるという。このスピードは他の追随をゆるさない。また配送料はタダだという。

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さいたま市(埼玉)トラスコ中山プラネット埼玉東京山川産業

またルート配送なので返品や修理品も回収できる。厳しいと言われる問屋でありながら売上はここ30年で3倍以上で2600億円に。創業時数人だった従業員数は3000人に。

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トラスコ中山プラネット埼玉
商売の本質を見極めろ!大量在庫が儲けの秘策

今回はトラスコ中山が在庫として持っている59万アイテムの商品の中から珍しいものがスタジオに登場。2mの大きなカラーコーンはマラソンの大会に使用されるという。またアルミのスリッパは工場現場などでコンクリートを塗った際に使用するという。デジタル探知機は壁の裏側に金属の柱があることを教えてくれるもので、リフォーム会社や配管工などが柱を避けて工事をする際に使用される。59万アイテムを保管しているがそのスゴさに中山は業界の中では桁外れと答えた。また過剰在庫は保管残すとは資金の流れが悪くなるという常識が蔓延しているが、中山はそれは売り手の目線であり買い手の方は多ければ多いほうがいいと答えた。またものづくりの現場は時間との戦いで、いかに必要な商品を早く調達することに苦心していたのでそのニーズに応えることが一番の会社の使命だと答えた。また在庫をもつ効能は他にもあり、時間外労働が激減し在庫があるおかげで取り寄せが少なくなり人がやる作業はわずかになり時間外労働が減ったという。

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トラスコ中山
客のニーズを追い続ける 業界最後発からの逆転劇!

朝7時に中山がもう出社してきたが、その荷物は大きなキャリーケース。大荷物は10年以上前からいつも持ち歩いているという。そのキャリーケースの中身は資料がぎっしり入っていて直近の仕事に関するものだという。もう一つのキャリーケースには先々の仕事に関連した資料を入れて持ち運んでいるという。かなりの心配性で名刺でもその数は尋常ではないほど多い。

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トラスコ中山
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客のニーズを追い続ける 業界最後発からの逆転劇!

中山は心配性で名刺でもその数は尋常ではないほど多い。その名刺入れにはもしもの時にと1万円を忍ばせていた。いろんなことに注意医を払いながら大胆な戦略を駆使し会社を大きくしてきた。その始まりは1959年に父親が大阪で起こした工業用商材の問屋で業界最後発だったがドラム缶入のサビ止め剤を小分けに販売するなどし先行するライバルとは違った品揃えで客を増やしていった。中山は近畿大学を卒業後すぐに入社し、倉庫から始まり配送や経理などじっくり現場を経験し体で覚えていったという。次第に大きくなったのがライバル会社に追いつきたいという気持ちで先輩になぜ追いつけないのか聞いてみると先輩は付き合っている交際費が違うと言ったという。しかし中山はそれに疑問を感じたという。接待ではなく必要な商品を届けることが大事だと、客のニーズを追求することが後の経営の原点に。1994年に35歳で中山は二代目社長に就任した。会社はどこに向かうべきか?10日間社長室にこもって考えた。そこで打ち出したテーマが「頑張れ!!日本のモノづくり」。教科書にはない在庫を大量にもち即納する。常識破りの戦略を進めていく。

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トラスコ中山中山機工商会

四年前にはこれまでの戦略を進化させたサービスをスタート。取引先の製造現場ではゴム手袋が切れたというが、製造スタッフが向かった先にはMROストッカーという商品を買い手の倉庫で保管するサービスが。必要な時に端末で読み取るだけで必要な分だけ買うことができるという。参考にしたのは富山の置き薬。欲しい時にほしい分だけとれる究極の即納。こうしたシステムに中山は昨年末の時点で1203件が利用してもらっているというが悪い点はほとんどないという。ここで中山の経営哲学を紹介。持つ経営については変えるものはすべて買う方針で会社の大動脈は他人資本に依存しないことだという。また善をもらう経営では正しいことやいいことを選び、判断基準がないとダメだと父親に学んだという。教科書にない経営については教科書通りでうまくいくなら世の中は成功者で溢れているはずだというがそうではないと答え、誰もが思いつかないことを考え誰もが進まない方向に進めることが大事だと答えた。

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MROストッカートラスコ中山南足柄市(神奈川)守山乳業
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客も社員も満足させたい 手厚すぎる?驚き制度続々

普段は取引先を回る営業のトラスコ中山の社員は休日に副業で稼いでいる。利用しているのはトラスコの社内副業制度。希望すれば休みの日に普段とは違う部署で働くことができ別に給料をもらうことができる。他にも社内託児所もできるが保育士を正社員で雇っている。保育士だけでなく社員食堂で働く料理人や栄養士も正社員で雇用している。中山はこうした取り組みに愛情を込めて社員の健康を考える人に料理を作らせたいと答えた。スタジオではトラスコ中山の社員のための制度を紹介。有給休暇では無制限の積立ができ、退職時に使っても良い上に買い取りもOKで、貯金のつもりでつみたてても良いと答えた。 また単身赴任をした社員は月曜日はゆっくり出社するようにしているが日曜日には家族一緒に過ごしてほしいと答えた。また新社会人としてトラスコ中山で働く社員のために会社からはトラスコ新社会人支援金を渡しているという。実家から通う社員に10万円、一人暮らしの社員には20万円を支給している。

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タケヤ刷子工業トラスコ中山越谷市(埼玉)
問屋不要論にモノ申す!進化した問屋ビジネス

中山は問屋不要論が上がっていると答えたがその背景には問屋が本来の業務をしなくなったためだというが伝票だけを置いて在庫を置かない状態のことだという。さらに中山は問屋でありながらBtoBの枠を越えた取り組みも強化。アマゾンなどのネット通販などで買った人に直接物を届けるサービスも行っている。

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Amazon.comトラスコ中山
(エンディング)
編集後記

村上は今日の総括に買い手からすると、品揃えも在庫も多ければ多いほどいい。在庫は少ないほうがいいというのは売り手の理論。「MROストッカー」ものづくりの現場で使用される工場用の商品を事前に棚に置いておく納期ゼロの即納サービス。置き薬の工具版。「この会社は何のためにあるのか」というのが原点。日本の製造業のために役にたたなければという思いで、いろんなことを改善したり、改革した。趣味は仕事くらいしかない。毎朝午前4時ごろに起床。考え事は山のようにあるけど悩み事はゼロ。幸せな人だと思う。とした。

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MROストッカー
次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

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