- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
横浜市内で暮らす家族のもとに買取業者がやってきた。テーブルには不用品が並んでいたが主張買い取りを行っている業者は紙袋やブランドバック、弁当の陶器など、色々と30個ほどの不用品を3万400円で買い取るという。その内訳はブランドバッグなどが高く、ドライヤーは5000円など。紙袋は一袋10円。釜飯の容器は100円になった。お客が出した不用品は基本持ち帰るのが流儀。そのリユース業界の市場規模は3兆円を超えて今後も拡大すると予想される。競争も激化する中でスタートから6年の買いクルは、急成長を遂げている。買いクルの特徴の一つが買い取った不用品の販売方法にある。買い取りを終え、倉庫に買い取ったものを置いているが使いかけの香水など倉庫には商品が大量に並んでいたが、中には売れるのか?と疑問に思うものも。販売方法は倉庫に隅っこミニスタジオがあり、買い取ったものをスマホで撮影している。写真はパソコンで転送し、売値を書き込む。そのサイトはヤフーオークションやメルカリなど。買いクルの売り場は店舗ではなく大手のフリマサイトで出張専門で無店舗で買い取るのが最大の特徴。その買い取りのエリアの拠点は124あるという。
買いクルを運営するのは東京・大田区のRC。従業員は46人でチェーン全体の売上は15億円にのぼる。買いクルのサービスは2018年に開始したが最近は加盟の問い合わせが月に200件あるという。殆どはリユース業界未経験者。通常店舗をかまえると1000万円近くかかるが、買いクルは無店舗なので初期費用は198万円。本部に支払うロイヤリティは月10万円。オーナーは買い取り料を使うがフリマサイトで売れば売るだけ儲かる仕組み。
買いクルでは加盟オーナーに現場研修を開業前に行っている。開業予定の2人のオーナーはリユース業は未経験だという。この家にあったのはガラステーブルにブランドバック。まず行ったのはスマホで商品の画像検索。同じものの商品のリユースサイトの相場をみて査定金額を決めていく。このやり方なら、商品知識のない未経験者でも査定が可能。さらにダイヤモンドのついた指輪も買い取ってほしいとの依頼にはルーペで指輪をチェックしていく。こうした研修を10日間行い、お客さんにも満足のいく査定をしている。商品査定の本部サポートは開業後にも続く。今年9月に開業したばかりの新米オーナーはとある一軒家へ。年季の入った食器類が並んでいたが、早速スマホで中古の相場を検索。しかしなかなかでてこないという。
千葉県富津市にある買いクルの施設には巨大なコンテナが。商品が所狭しと並ぶ倉庫で、ここは海外に輸出する商品が並ぶが買いクルでは独自に開拓した海外販路を持っていて定期的に商品を送っている。その社長は大堀直樹。海外販路を開拓したのは日本では売るのが難しいものでも販売できるため。日本では捨てるのにお金がかかる大型家具がカンボジアでは多少壊れていてもすぐに売れるという。クマのぬいぐるみは少し汚れているが需要はあるという。少子化が進む日本とは違いカンボジアは人口の4割が20歳未満。子ども用品のニーズが高い。
大堀は靴のサイズでも両方違う人がいて、片方しかない靴だけでも需要があると答えた。また店舗なしのリユースについてはなるべくコストカットしようという中で大きくお金をかけると後に引けない状況で変化に対応しづらいと感じたという。また利用者が買いクルを使いたがる理由には親の施設入所などで実家の片付けをしなければいけないという時にトラック何台分とあるが専門ショップに行くのは難しく、処分に困ったものを助けるとして作ったと答えた。また買いクルの9割はフランチャイズオーナーだが、初期費用からその回収率には今年では3ヶ月弱で回収した事例もあると答えた。またフランチャイズの売り上げは月150万円程度だと答えた。
買いクルの買取エリアが急拡大している理由には加盟規模オーナー向けに徹底リサーチを行っている。開業を希望するエリアにはどれほどのライバルがいるのか、競合店の数と位置を調べた地図やそのエリアの住民が買い取りについて検索したデータを調査。1週間かけてリサーチしそのエリアをランク付け。オーナーに提示ているという。大堀はある程度競合もいるのがバランスがちょうどよいと答えた。厳しいエリアについてはしっかりオーナーにも伝えると答えた。
海外販路を開拓し、日本では売るのは難しいリユースを実現した買いクル。その売り先として選んだのはカンボジア。取引を始めてから大堀は現地を訪れている。向かった先はカンボジアで提携しているリユース店。店内は広く清潔な印象で、カンボジア国内で25店舗を展開しているがその品揃えはブランド品などはないが、中にはJAのロゴがついたバッグや名前の入った手袋まで。やってきたのは近所に暮らす大学生。靴と洋服を買いに来たというが、飲食店のオーナーという男性はこの店で販売していたトレーを大量に購入した。
日本で急成長し、カンボジアにも拠点を作った大堀だが、ここに来るまでに想像を絶する苦難も味わっていた。1979年に港区の裕福な家庭で5人兄弟の長男として生まれた大堀。しかし小学4年生の時に父が事業に失敗し失踪してしまったという。
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大堀は裕福な家庭で生まれたが、しかし小学4年生の時に父が事業に失敗し失踪してしまい、それから児童養護施設で生活した経験も。高校卒業後にはフリーター生活を経て中堅のリユース会社に入社し猛烈に働いた。トップクラスの成績をあげると29歳で独立し中古車をメインにした買取業の会社を設立。そんな中、閉店することになった飲食店にテーブルなどを買い取りにいった時のこと。たまたま半年前に出展した出店工事の見積書を目にした。書かれていた金額は800万円だったがお金をかけたのにすぐ潰れてしまっては意味がないと思ったという。そのことでお金をかけずに店を構えようと無店舗を考えたが、その時真っ先に浮かんだのは海外販路の開拓。一人で2年もあけて東南アジアの国々を回ったが、すぐにでも利益がほしい中で出口の開拓にあたったのか?大堀は競合企業がほとんど進出していないカンボジアに目をつけると、現地のリユースショップをまわり交渉した。しかしまだサービスをも初めていない見ず知らずの日本人に門前払いがつづいた。その中で話を聞いてくれた人がサクラショップのオーナーだった。オーナーは大堀にパワーがあり、この人と手を組みたいと思ったという。海外販路という地固めをした上で何でも引き取る買いクルがスタート。戦略はあたり急成長を遂げている。
大堀がカンボジアに来て必ず寄る場所があるという。そこは親のいない子どもたちが暮らす施設で大堀はこうした施設を回っているという。何でも引き取る結果売り切れないものも。そうした物を中心に寄付活動を行っているという。子どもたちの施設だけでなく物が行き届かない貧しい農村にも出向いているという。児童養護施設で育った大堀はその環境に元々裕福な家で育ったところからスタートしたが父の事業が失敗し会社がなくなってしまったが小学生までは2転3転していたという。しかし不退転で物事を学べたのは良かったと思っていると答えた。またカンボジアで貧しい村や子どもの施設に余ったものを届ける活動についてはその生い立ちに関係していると答え、不公平・不平等が嫌いだが子どもの頃はそれが如実になる。そういった貧しい人たちにもチャンスがあってもいいと感じたという。また物に最後まで責任を持つことが究極のリユースだと答えた。
買いクルの事業を育てながら大堀はこれまでなかった新たな買取サービスを行おうとしている。
買いクルの事業を育てながら大堀はこれまでなかった新たな買取サービスを行おうとしている。大堀はマーケットエンタープライズにやってきたがリユース業界最大のプラットフォームのおいくらを運営しているが年商190億円。タッグを組んで新たな買い取りサービスができないかとプレゼンをした。思い出を買い取るというコンセプトで、その特別な思いは特別な価値になると金額にプラスされてもいいのでは?という発想。大堀はこうした思い出の証明書に希望大学に受かったなどとそういった証明書を提出してもらうと答えた。
1年前に買いクルに加盟した施設はほまれの家。全国に74箇所の事業所を展開する障害者向け就労支援事業所。買いクルの仕事が始まって利用者のやる気に大きな変化があったという。ほまれの家の代表はその人にあった仕事を提供できるのが良いという。自閉症の男性は施設のスタッフと一緒に出張買取を行うがこの日の買い取りでは折りたたみベッドや石油ストーブなど重いものも。男性はこうした重いものを先頭にたって運んだ。
村上は今日の総括に「無店舗」という形には驚いた。ビジネスは出張専門で、買い取る。買い取ったものをネットで売る。基本的に、何でも買うし何でも売る。9割がフランチャイズで、その9割が「リサイクル事業者未経験者」で、その半数が本業を持ち継続している。FC加盟数は120店舗を超える。販路にはカンボジアがある。「信頼できる売り先がないといるつか破綻する」と大堀さんは言う。たった一人で東南アジアを旅してカンボジアと出会った。今、手垢のついたバットとか、「思い出」をリサイクル事業に燃えている。とした。
カンブリア宮殿の次回予告。