- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
千葉県船橋市にあるショッピングセンターを紹介。その中にホームセンターのコーナンがある。全国に640店舗を展開しているが、中でも京葉船橋インター店は国内最大規模で東京ドームのグラウンドと同じ規模。そこに並んでいるのは洗剤、ティッシュペーパーなどの日用品やシャワーヘッド、竹ほうきなど約14万点を取り揃えている。中でも売れ筋は粘着カーペットクリーナー。一般的な粘着クリーナーよりもきれいに剥がすことができる。秘密は切れ目が斜めに入っているため。さらに蓄圧式洗車クリーナーは水や洗浄剤をいれて、ポンピングすると勢いよく噴射され、電源やホースが不要でどこでも洗車が出来る。最近売れているのは防犯砂利。その音の差は歴然で、防犯に最適。大きな音がでるよう石に特殊加工をしている。
ホームセンターコーナンを展開する会社は大阪市淀川区にある店舗の中。創業は1978年で社員数は4898人。その社長は疋田直太郎。売り上げはほぼ右肩上がりで、業界第3位の5014億円を突破。
コーナンの詰替え用の洗濯洗剤は、通常2リットルサイズはよくあるが、コーナンでは4Lのものもあり、お風呂用のものも。また園芸用の培養土は通常5Lサイズのものがあるが、コーナンで人気なのは34L入り。こうした大きなサイズと量の多さで人気だが、中でもペットシーツが人気で、200枚入りのものが販売されている。また独自の工夫でぎっしり詰めていてかさばらない。その累計の販売数は20億枚超え。犬のトリミングの店では、コーナンで購入したペットシーツを使用しているが、一日に10枚以上使用するために買い足しの負担が減ってありがたいという。またキッチンペーパーは見た目はごく普通だが、一般的なものはワンロール10m。しかしコーナンで販売されているものはワンロール40mある。ロールは太くなりそうだが、隙間なく巻いているのでそれほど分厚くはない。品質を損ねないギリギリに巻いたという。
コーナンの多くの商品についているLIFELEX。これはコーナンのプライベートブランドで4200種類あるという。売り上げは4割を占めておりコーナンの屋台骨に。この日、PB商品の開発会議が行われていたが、猫のトイレに関する悩みをSNSで募集した所、最も多かったのは猫砂の飛び散りだった。猫は排泄物をするとき砂をかける習性があるが、その際に砂が飛び散ってしまうことがある。そこで開発担当が試作したのが猫砂の容器を囲って猫砂の飛び散りを防ごうと考えた。この日集まったのは開発担当だけでなく、他の部署の社員の姿も。ユーザー目線を徹底的にするために社員がユーザーとして意見を出し合っている。
疋田はホームセンターやスーパーがPB商品に力をいれる理由には価格などに一工夫ができるためだという。年間発売するPB商品は4000点以上。そんなに多くの発売する理由にはナショナルブランドの商品が増えていく中でそこに対抗していく必要があると答えた。またホームセンター売上高では3位につけているコーナン商事。疋田はトップを狙うのか?についてトップを狙えば社員の士気高揚にもつながると答えた。またドラッグストアが脅威だというが、その理由に同じく日用品を大量に扱っていると答え、価格面でもシビアで脅威に感じていると答えた。
コーナンが力を入れている一つに、防災関連の商品。災害時に重宝するアルファ化米は特殊な乾燥処理をしたお米で、お湯や水をいれるだけでご飯ができあがる。また非常用簡易トイレセットは他社の商品とは違い、分別の手間が省けるため売れている。他にも避難所で使ってほしいと開発されたインフレータブルマットも。疋田が防災グッズを充実させているにはある理由があった。コーナンのロゴマークは原点を表しているという。前身は石油販売業だった。今も使っているそのロゴは、油の一滴を表している。創業者は父の疋田耕造。1970年代のオイルショックで経営は不安定になり別の事業を模索する必要があった。それがホームセンターだった理由には掛け売りで業態が悪くなり、現金の商売がしたいと思って始めたという。掛け売りはお金のやりとりを後日まとめて行うこと。入金は不安定なために、現金商売のホームセンターに参入した。この日疋田が訪れたのは、コーナンの1号店の泉北店。1978年にオープンしたが、ここは疋田にとって思い入れの深い場所であり、アルバイトを経験した店だという。当時大学生だった疋田は父に言われここでバイトをしていたが、今回は視察しにやってきたという。木材のコーナーや防災用品コーナーを回ったが他の店舗視察でも必ず防災用品をチェックする。その理由は阪神・淡路大震災。当時、副社長だった疋田は新規出店に携わっていたがそこで決断を迫られていた。震災で被害が出て、損失も大きいと言われたが、こんな時だからこそ神戸に店をオープンさせようと決断したが地域の人の助けになりたいという思いが強かったという。
震災からおよそ1年後に被災地にコーナンがオープン。生活必需品が揃うホームセンターは、復興を進める人たちの拠り所に。疋田が特別な思いで出店したコーナン 灘大石川店。こうして困っている人たちの役に立つ店にしたいと疋田の指針になった。
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早朝6時30分からオープンしているコーナンがあった。駐車場朝から満車になるほどで、この場所のコーナンはコーナンPROという、建築を始め様々な職人向けの店。あらゆるプロの要求に応えるべくドライバーだけで200種類。ネジにいたっては3000種類。職人が現場に行く前に資材が買えると朝早くにオープンしている。また働く人も元職人と、コーナンは元職人を積極的に採用しているという。そのためより細かな要望に応えることが出来る。こうして職人の信頼を得ているが、全体の売上の3割を占めるまでに成長している。
疋田は被災地だった神戸市灘区に新店舗をオープンしたのは、もともとオープン予定だったが、それを早めて、お客の支援に役立ってほしいという思いがあったという。生活必需品が揃っているために喜ばれたという。またコーナンPROについてはDIYをする一般のお客にも好まれているという。村上の友人も店に立ち寄ったという。また店独自のサービスや、元職人が店員なので、質問や相談にも乗ることができると答えた。
コーナンは去年新たな形態の店をオープンした。gardens umekitaは今までのコーナンの中でも植物を扱っていたがここは豊富な品揃えが売り。リーズナブルなものから55万円の観葉植物まで。その数は700種類にも及ぶ。熱帯魚は100種類以上。
疋田は、先行き不透明な時代、サバイバルに必要なことについてはホームセンターの成長は今後見込めないという中で難しい経営にはなるが、コーナンPROに力を入れているのでそちらに注力していきたいと答えた。
村上は今日の総括に資料を読んでいて、PROというのがわからなかった。プロフェッショナルの略だった。プロ向けの専門店という意味で、客の厳しい目に応える専門性の高い資材、塗料、作業用品などを幅広く品揃えする。ホームセンター業界は、売上は変わらないが企業数が減っている。M&Aによる規模拡大が進んでいるためだ。「建デポ」や「ビーバートザン」などコーナンの傘下に入った企業は少なくはない。疋田さんは、笑顔が印象的だった。がんがん勢力拡大するというイメージではない。海外への出店が自身になっているのかも知れない。とした。
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