2026年1月8日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【電力事業も手掛ける!日本のエネルギーを支えるガスNo.1企業】

出演者
村上龍 小池栄子 笹山晋一 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

2026年 第1弾のカンブリアは どうなる!?日本のエネルギー

物価高による家計の負担を軽減するため、国は2026年1月~3月の電気・ガス代を補助する。日本のエネルギー自給率は約15%と低く、輸入に頼らざるを得ない。世界情勢や環境問題などエネルギー全体の見直しを迫られるとなど先行きが不透明。今回は日本のエネルギーを支えるガリバー企業・東京ガスを徹底深掘りする。

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日本経済新聞 電子版東京ガス高市早苗
総合的なエネルギー企業へ!東京ガス
ガスだけじゃない!電力事業も 生活サポートも手掛ける巨大企業

東京・豊洲で開かれたクッキング教室を取材。作っていたのはフランスの卵料理「キッシュ」。通常はオーブンでじっくり焼き上げるが、ここではグリルを使っていた。オーブンだと20分かかるが、グリルだと加熱7分・予熱3分で済む。グリルはオーブンに比べて加熱が速く、エネルギーの節約になるという。料理教室を主催しているのが今回の主役「東京ガス」。創立者は一万円札の渋沢栄一。日本の家庭で使われるガスは大きく分けてプロパンガスと都市ガスの2つ。東京ガスが供給する都市ガスは動植物由来でLNG(液化天然ガス)とも呼ばれる。家庭用のガス以外に火力発電にも使用される。約98%は豪州・マレーシア・米国など海外から輸入。マイナス162℃の超低温に冷却し、液化して日本へ輸送する。液化すると容積が600分の1になり、大量輸送がしやすくなる。LNGが運び込まれる基地の1つが千葉県の袖ケ浦LNG基地。広さは東京ドーム17個分。タンカーで運ばれてきたLNGはパイプで送られてタンクで貯蔵される。タンク1つで20万世帯の1年分になるという。海水の熱を利用して液体から気体に戻し、地下パイプを通じて各家庭に届けられる。顧客数は首都圏の約880万件。全ての顧客を定期的に訪ねて点検などを行っている。点検の最後にガス漏れの際には換気扇を回さないでと告げた。スイッチが着火源になる可能性があるためだという。2024年度の売り上げは2兆6368億円。都市ガスの会社としては日本最大。本社があるのは東京・港区。創立は1885(明治18)年。従業員数は1万5572人。午前7時45分に出勤したのが今回のゲストで東京ガス社長の笹山晋一さん(63歳)。近年はオール電化などの普及が進み、家庭のエネルギー需要は電気がガスを上回った。2017年にはガスの小売りが全面自由化されて競争が激化。東京ガスはガスだけじゃない総合的なエネルギー企業を目指している。

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東京ガスの総合エネルギー戦略1つ目は「電力でも躍進!」。家庭用電力の小売り全面自由化に伴い、2016年4月から電力事業に参入。LNG基地の隣に発電所を持っているのが他社にない強み。日本の発電は火力が7割を占め、その半分近くが天然ガスによるもの。東京ガスは豊富な天然ガスで安定的な発電が可能。880万件の顧客基盤を強みに成長し、電力の契約数は420万件を超えた。販売量では新規参入企業でトップシェア。笹山が手を組んだのがイギリスのオクトパスエナジー。2015年に創業したベンチャーで、イギリスで契約件数トップシェア。強みは独自のデジタル技術を使った顧客管理システム。一般的な電気契約では契約者が各部署に問い合わせる必要があるが、オクトパスエナジーは情報を一括管理することにより、一人のオペレーターで一人の契約者に対応でき、コスト削減による割安な価格を実現している。笹山は4年前に合弁会社を設立して全国展開を進めている。電気代は基本料金+使った電力の料金。一般的な電力会社は使用量・時間帯・季節で変動するが、オクトパスエナジーは一定で基本料金はない、サービス開始からわずか4年で契約数が50万件を超えた。利用者は料金が安いと語った。

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東京ガスの総合エネルギー戦略2つ目は「海外でも躍進!」。フィリピン・マニラから車で2時間ほどの場所に東京ガスが力を入れているエネルギー施設がある。浮体式洋上LNG基地は海に浮かぶ船の基地。東京ガスとして初めて海外のLNG受け入れ基地事業に参画。2018年に現地のエネルギー会社と共同開発契約を締結した。海外から輸入したLNGを洋上基地で気体に戻し、陸上の発電所へ送る。基地の初期投資額を低く抑えることができ、短い期間でタイムリーにサービスを提供できる。経済成長が続くフィリピンでは国産の天然ガスによる火力発電ではエネルギー供給が賄いきれないという。東京ガスは海外のエネルギー供給に貢献しながら事業を拡大している。

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マニラ(フィリピン)東京ガス

東京ガスの総合エネルギー戦略3つ目は「地域密着のお役立ちサービスも!」。2021年にハウスクリーニング事業を開始。料金は1万7600円~(レンジフード・キッチン 約1時間半)。売り上げは3年で平均200パーセントの成長。オリコン顧客満足度調査で関東エリア第1位となった。

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オリコン東京ガス東京ガス 千住テクノセンター荒川区(東京)

東京ガスは2021年にハウスクリーニング事業を開始。笹山社長は「安定的にガスを届けるために地域密着のサービス体制を築いてきた。これを活用してお客様の生活の課題を解決する会社になっていく」と語った。

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東京ガス
ハウスクリーニングに空き家対策も 生活に関わるサービス事業も充実!

東京ガスの笹山社長をスタジオに招いて村上隆&小池栄子が話を聞いた。都市ガスは無味無臭だが、万が一漏れた時に備えて嫌な臭いを付けている。LNG工場で都市ガスを製造する段階で臭いを付けるという。ガス料金は海外からガスを買う輸入価格とガスを提供するための人件費など大きく2つで構成される。人件費などはデジタル化など効率化でコストを抑える努力をしているため、今後のガス料金は輸入するガスの国際価格に影響を受けるという。村上などオール電化でガスを使わない人もいるが、発電用の需要などガスの用途はまだまだ増える余地があるとの見方を示した。ガス事業につなげるためにハウスクリーニングや空き家対策なども手掛けている。

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東京ガス
あの渋沢栄一が創立し初代会長に 日本のガスの歴史は文明開化から

日本にガスが登場したのは文明開化が始まった明治初期。1872(明治5)年に横浜の馬車道に初のガス灯がともり、1874(明治7)年には東京・銀座に85基のガス灯がともった。東京・小平市の「ガスミュージアム」に展示されているガス灯に火をつけて見せてもらった。明かりだけでなく、イルミネーションとしても当時の人々を楽しませた。ガス灯の普及に尽力した渋沢栄一は1885年に東京瓦斯会社を創立。1886年に東京電燈会社が開業すると、電灯が安全な照明としてガス灯の代わりに普及した。渋沢はガスの新たな可能性を模索し、1902年に薪の代わりにガスを使う「瓦斯かまど」を発売。暖房用の「瓦斯火鉢」、「瓦斯風呂」なども開発した。昭和になるとトースターや卵ゆで器も発売し、ガスは暮らしに欠かせないエネルギーとして普及した。1960年代に高度成長期を迎えた日本では大気汚染が深刻化。東京ガスが目をつけたのがLNG(液化天然ガス)。それまでの石油や石炭から作るガスに比べて不純物が少なく安定的な調達も期待できたが、受け入れ体制を整えるためには莫大な費用が必要だった。そこで声をかけたのは意外な企業だった。

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高度経済成長期の巨大プロジェクト 巨大企業・東京電力と“協力”も…

東京ガスは大気汚染が深刻化した1960年代によりクリーンなエネルギーへ転換しようと、日本初のLNG導入を目指したが、莫大な費用が必要だった。そこで声をかけたのが東京電力。1969年11月に両社が共同で米・アラスカ州から日本初のLNGを導入した。東京ガスは顧客約550万件を一軒一軒まわって調整作業を実施し、延べ780万人を動員した。スタジオで笹山社長が当時を振り返った。

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東京ガス東京電力
電力の小売り全面自由化の働きで 電力事業に進出しリーダーに

東京ガスの笹山社長は1986年に東京大学工学部を卒業して東京ガスに入社。情報システム部に配属されて頭角を現す。2016年4月に電力の小売自由化が始まり、東京ガスも電力事業に参入。プロジェクトリーダーに任命されたのが笹山だった。部下として電力事業の立ち上げに関わったTGオクトパスエナジー社長・中村肇さんが当時を振り返り、全員が初めての経験できつかったと思うと語ってくれた。ガスの販売で顧客の窓口となっていた地域密着型の代理店からは「ガスだけで十分なのに何で電気もやらなきゃいけないんだ」との声があがった。笹山は代理店の仕事を理解しようと自ら顧客の家庭をまわり、検針や点検など身を持って体験した。こうした努力もあって東京ガスの電力に乗り換える家庭が増加し、420万件以上(小売販売量シェアトップ)となった。笹山はその実績を買われて2023年に社長に就任した。

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「論語」と「算盤」の精神を受け継ぎ カーボンニュートラルを目指す

東京ガスの創立者・渋沢栄一の理念「論語と算盤」は笹山社長にも受け継がれている。論語は「公益性の追求」と「社会課題の解決」。算盤は「事業として経済性を成り立たせて成功させる」。世界の気温は工業化前に比べて1.6℃も上昇。要因となっているが温室効果ガス。東京ガスは二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指している。

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東京ガス渋沢栄一

カーボンニュートラルを目指す東京ガスが取り組むe-メタンを取材。ゴミ焼却場で発生した二酸化炭素をタンクで運び、水道水を電気分解して水素を生成。二酸化炭素と水素を専用設備で合成したe-メタンを都市ガスとして使い、二酸化炭素を回収すれば、大気中の二酸化炭素は増えずカーボンニュートラルが実現する。他にも風力発電や太陽光発電など、東京ガスはガスに限らないエネルギー全般と向き合っている。笹山社長はエネルギーに影響を及ぼすような出来事が多く起きる中、顧客に迷惑をかけない取り組みを続けていくなどと語った。

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先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことは…

「先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことは?」と質問された東京ガスの笹山社長は「多様性で新しいことに絶えずチャレンジすることが大事」などと答えた。

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編集後記

村上隆が東京ガス・笹山社長をゲストに迎えた今回の収録を総括。東大工学部出身で戦後初めての理系社長。データ分析関連のIT事業に長く携わったこともあり、話すロジックがちゃんとしていて分かりやすく、メタネーションや浮体式洋上風力発電について理解できた。約1万6000人を率いる人だと思ったなどと記した。

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(エンディング)
次回予告

「カンブリア宮殿」の次回予告。

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