- 出演者
- 金原ひとみ ヒャダイン 中村茂雄
味の素は冷凍ギョーザを美味しく作れるように進化させてきた。フライパンに並べただけのギョーザはしばらくすると膜ができ始める。専門店の職人技だったギョーザの羽根が出来上がる。またフタなしでも油がハネない。味の素冷凍食品 の生産。研究開発本部。ギョーザチームのミーティングには商品に関するSNSの投稿を分析していた。消費者の不満を一つ一つ検討し改良にいかしている。油がハネない研究もSNSに分析から始まった。発売から50年。ギョーザが誰でも焼けるように改良を繰り返してきた。その決意を示すのがメンバーのストラップに記された言葉。そこには「永久改良」の文字が。そんな執念の改良で冷凍ギョーザは29年連続売上NO1(味の素冷凍食品調べ)。
オープニング映像。
スタジオには味の素の匠 肉餃子が登場。金原は醤油がなくても味があって美味しいと答えた。中村はギョーザをアップデートする理由に、美味しさはインフレすると答えもう一度食べた時にこんなレベルだった?と期待が大きくなるとしきい値が上がってしまうという。そこで永久改良を掲げていると答えた。
味の素が誇る簡単美味しいは冷凍ギョーザだけではない。肉と野菜の旨味を凝縮した味の素KKコンソメがシェア8割。手軽に本格中華が作れるCook Doシリーズは46年連続トップに君臨。スープのクノールも味の素。累計売上は1兆円を突破した。味の素が育ててきたブランドはどれも圧倒的な強さを誇っている。その秘密はどこにあるのか。味の素の発売直前の商品をお披露目する商談会を取材。ブースに並ぶのは各部門が開発した入魂の新商品。橋出されていたマーケット分析をみると、手作りの鍋の需要と景気動向の分析で節約意識が高まると家庭の鍋が増える。そんな分析で開発した商品が歴史的偉人をイメージした偉人つゆ鍋シリーズ。さらに注目を集めていたのはCook Do 極シリーズ。家庭で高級中華レストランの味わいを楽しめるという。シナモンや八角などのスパイスを香りづけしたラー油を独自開発。高級感あふれる香りとコクを実現。味の素には消費者を掴む味を生み出す技術がある。どんな名店の味も再現できる美味しさ設計技術についてはCook Do 極では名店の麻婆豆腐を再現してみたいと作ったものだった。その名店の香りに着目し、独特な甘い香りを分析し、人はどの成分に甘みを感じるかを特定した。そして開発したのがシナモンや八角で香り付けしたラー油。味の素はそんな美味しさ設計技術でホイコーロのキャベツからタレが流れ出ずにしっかり味が絡むようにしたり、青椒肉絲に使うピーマンの苦みを抑え込んだりと消費者を掴む味を作り出している。
ブラジルのサンパウロ。市場には様々な揚げ物が並ぶお国柄。サンパウロのレストランで、最近あるものが人気。それは餃子。サンパウロで大人気の餃子こそ、味の素が永久改良で磨きあげてきた冷凍ギョーザ。ブラジルの味の素は70年の歴史があり、現地向け調味料などの販売をしているが、24年に冷凍餃子を販売。冷凍物流が整っていないブラジルでは冷凍食品を普及させることが簡単ではなかった。ブラジル市場に冷凍餃子を一気に普及させた立役者はブラジル味の素社。社長になる前に中村はブラジルに赴任していた。ブラジル味の素社について赴任当時の状況に中村は、売り上げは伸びていたが利益が横ばいになっていたという。このままでは物流の成長がとまってしまうと危惧し、冷凍餃子を思いついたという。冷凍餃子だった理由にはブラジルに初めて行った際に、食事をする場面が多くブラジルの前菜は揚げ物で、それなら焼き餃子でもいけると思ったと答えた。金原はフランスの店でも味の素の冷凍ギョーザを使っているという話を聞いたという。中村は、欧米でもレストランに納め、欧州でも餃子を販売。アメリカでも「BtoB」「BtoC」で 販売しているという。
味の素の海外事業では、すでに売り上げも利益も海外は6割を超えている。世界130以上の国と地域に展開している味の素。売上比率は海外が6割を超える。インドネシアでは「Masako」という風味調味料ブランドを展開。中村で日本で言うほんだしだと答えた。また新商品を海外で販売することで大事なことは、「3A主義」を掲げていて最初は手頃な価格、どんな料理にも使える、どこでも買えるが海外で通用するための基本ポリシーだという。
川崎市の京浜急行の鈴木町駅は、味の素が世界的企業に駆け上がった町。駅前は味の素の施設が様々ある一大拠点。その入り口に建っているのが創業者の銅像。創業5年、1914年に鈴木は売れ始めた味の素を作るための工場をこの土地に建てた。敷地内で人気なのは工場見学。国内最大規模を誇る工場は味の素の旨みを体験する飲み比べも。
味の素の工場見学で、参加者を驚かせたのは、味の素の主な原料はサトウキビだった。その一生産拠点のブラジルでは畑で収穫したサトウキビを搾り、とれた糖蜜を発酵させる、それを結晶にすることで味の素を製造している。味の素の創業者の鈴木三郎助が操業を決意したのにはある発見にあった。池田菊苗博士による昆布の旨みはアミノ酸の一種、グルタミン酸に由来するという発見。鈴木は日本人に健康的で美味しい食生活を広めたいとグルタミン酸ナトリウムの製法を使ってうま味調味料の味の素を開発。そのアミノ酸研究から100年。この日行われた伝統的なイベントでは、味の素の研究者たちが最新の研究成果を社内で共有する。ほとんどがアミノ酸に関する研究。会場をまわり、丁寧に研究者の話を聞いていた中村。中村も元々は研究者だったという。中村は東京工業大学・大学院で発酵を研究し、1992年に味の素に入社した。
中村は大学院の研究で発酵の凄さに気づいて食品会社の味の素に志望した。やりたかったことに中村は当時の指導教官から発酵と言えば味の素で、味の素で研究をやってはどうかと推薦をうけたという。また特許を512件も取得していたが、特許にこだわった理由に中村は半導体は2年に1回性能があがり、2年ごとに材料は他社と競争することになるという。この事業はうまくいっても2年でなくなる可能性があり、売却をしてもいいのではという話が出てくるが、この事業が別の会社に売られても、中村がついてこなければ半額だと言われるほど研究者としてやっていきたいと特許をたくさん取得したという。
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AIの爆発的な普及で急激に存在感を増している半導体業界。中村はAI向け半導体で世界が注目するエヌビディアのトップから一目置かれる存在。その理由が中村が開発し特許をとった半導体業界に不可欠な製品。味の素に莫大な利益をもたらす製品はABFというフィルム。現在の高性能半導体の9割以上に使用されているが、この白いフィルムは、ABFは電子基盤の内側に重ね合わせるように使われる極薄の絶縁材何層重ねても、凹凸がでないために、高性能の半導体を作ることができる。ABFを含む電子材料部門は売り上げ1000億円を超えている。ABFの開発が始まったのは1990年代。味の素の副産物から絶縁材になる樹脂が作れることがわかったのが始まり。当時少人数だった電子材料部門。アツ日大手電機メーカーから相談に、絶縁材の膜をフィルムにできないか?というもので、研究者たちはできるわけないと頭を悩ませたが、できないことをやってみようと言ったのが入社4年目の中村だった。絶縁材に使用できるフィルムにするにはどんな配合で材料を混ぜ合わせればいいのか?永遠と実験を繰り返した。悪戦苦闘の末に結果をだしたのは3年後のことだった。中村は当時はこんなに大きな事業になると当時は思っておらず、特許もチェックをされずに出さるほど注目もされていなかったという。また高性能半導体向けシェアの割合は90%。
中村はABFはAIのアプリケーションだと高性能にするためにチップをたくさん配置するが、基盤自体は大きくなっているという。層数も上がっているため電磁材料事業は急速に成長していると答えた。また規制の枠にとらわれずに考えることが大事としている中村。この既成の枠にとらわれないためにやっていることは?になぜ食品会社で良いものが作れたか?とよく聞かれるが、電子材料で層間絶縁材はたくさん使用するのでかつては室温でしか保管してくれなかったという。しかし自身が開発したのは室温で3日したもたない、冷凍保管が必須なもの。味の素は冷凍食品をもっていたので、冷凍にハードルはなかったという。中村は絶縁材の冷凍保管を提案し、常識を覆した。
中村に味の素の社員から聞きたいことをぶつける。特許を取るネタの見つけ方は?ビジネスをどこまで意識している?について中村は新しいことをやる際には他社の特許を侵害しては意味がないと答え、当時は紙だったので分厚い特許の資料をみていたという。なにか考えていないと事象をみても思いつかないという。ビジネスのことは考えず、特許を書いておくのが大事だと答えた。
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創業以来うま味成分で拡大してきた味の素。その分野から培ってきたアミノ酸技術を使い新たな分野へ。中でも成長著しいのは高度な医薬品の製造をメーカーから受託するサービス。味の素のアミノ酸技術を使うと医薬品の開発に効率ができる。良い薬を市場に早く出せるという。アジキャップは抗体の特定の位置に薬剤を結合させる技術のこと。今医薬品業界でひっぱりだこに。味の素はアメリカの遺伝子治療薬を扱うフォージバイオロジクス社を買収。より微細なナノレベルで、高度な遺伝子治療の分野にも攻め込んでいる。実際のすでに難病の治療にも使用されている。
味の素を象徴する社内イベントにはASVアワード。世界各国の従業員の新たな挑戦やアイディアを表彰する場。社長の中村も加わって厳密な審査を行う。評価の一番のポイントは社会に役立ちビジネスにも大きな可能性があること。美味しくて健康に。創業以来のアミノ酸研究でビジネスを掴んできた味の素の真髄。アミノ酸ビジネスは拡大するか?い中村はアミノ酸のポテンシャルは高く、どんどん挑戦していきたいとした。
中村は味の素の食べ方に、たまごかけご飯に味の素をふってごま昆布を乗せて食べるのが好きだという。
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金原は今日の総括に、何を聞いても期待以上、想像以上の答えが返ってくる。一つの質問に対し、ファクトが、理由が、見立てが、展望が、狙った的を射るように返ってくる。角度をつけても、変化球を打っても、ブレないその答え、手がける引き出しの的確さに、惚れ惚れする思いがした。“Think outside the box”(既成の枠にとらわれずに考える)とは、視野が狭くなってしまうことや、停滞を避けるための考え方ではあるのだろうけれど、boxそのものについて思考するという意味も含まれているはずだ。既成から逸脱するためには既成そのものを正確に把握する必要があるからだ。boxを完璧に知り尽くした中村さんだからこそ、そこから綺麗にはみ出し、圧倒的なまでの客観性、冷静な判断力を身につけ、それらを武器に飛躍を可能のものとしたのだろう。もう改良する余地などどこにもないとしか思えない餃子がこれからどこで向かっていくのか、楽しみで仕方ない。とした。
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カンブリア宮殿の番組宣伝。
