- 出演者
- 金原ひとみ ヒャダイン 石川勤
今回のゲストについて、ヒャダインと金原は新素材で食器を作っている会社と答え、大逆転の裏側に迫っていきたいとした。
食器のARASは丈夫で落としても割れないおしゃれな皿。幅広い層に支持されていて、一番売れているのは深皿スクープ。発売から6年でシリーズ累計300万枚の大ヒットに。その謳い文句は1000回落としても割れない。下請地方メーカーの逆転劇を特集。
オープニング映像。
金原はARASについてSNSでよく広告をみていて触ってみたかったと答えた。石川は1000回わっても本当に割れないと答え、実際に検証したという。ARASが重宝されているのは家庭だけではない。パリの2つ星レストランで修業したシェフがオープンした店ではエゾシカ肉をARASで振る舞っている。レストランで使う大きなメリットには、割れる心配が少ない。星野リゾートが運営するOMOでもARASを採用している。
ARASを作った会社は石川県加賀市にある。その社屋はおしゃれな食器とはイメージとはかけ離れた建物で、石川樹脂工業の会長の石川章はARASを最初は否定的に見ていたという。ARASの生みの親は会長の息子の専務の勤。10年前に家業に戻り、経営を実質的に任されている。ARASの原料は独自の新素材で、樹脂とガラス繊維が一粒一粒に混ぜられている。この原料を熱して溶かし、金型に注入。3分ほどで固まり、金型から外せば皿の形になる。樹脂なので割れにくく、独特な質感も生まれた。ARASという不思議な名前は勤の思いが。ARASは皿をアルファベットにして反対から読んだ言葉。ロゴマークも「皿」を上下に反転させている。プラスチックという安物、偽物・使い捨てのイメージがあったので、その概念をひっくり返したいという思いが込められている。そして狙い通りに、客の関心をよせた。その独特な形状にも意味があり、一番売れている深皿スクープのフチは一方向だけわざと傾斜を急にしたがご飯やスープなどを最後まですくえ、キレイに食べやすくなる。機能がそのままデザインに。また、ワンプレート料理にも使用できる大皿の場合は、表面に凸凹と波がついているが、これがあることでドレッシングたソースなどが他の料理に流れにくくなる。茶碗は持ちやすいよう、横に指が入り、フィットする形状に。裏側の工夫には洗った際に水がたまらないようになっている。デザイン性、耐久性、機能性まで追求した欲張りな食器。
スタジオにはARASが登場。金原は実際に食器を触ってみて機能がデザインになっていると感じると答えた。石川は素材については自分たち独自の配合と素材で、物によっても配合を細かく変えていると答えた。ARASはどんなシーンで使われる?に石川は子どもと使う、アウトドア、ホテルやレストランでもオペレーションが楽になると答えた。また能登で被災した人も毎回揺れると割れ物が怖くて使えないという人もいて、地震の時にもこの皿は需要があるという。また割れない皿を作ると次も買ってもらえないのでは?に石川は自分たちが良いと思っているものを売るほうが使命として正しいと答えた。
おしゃれで割れない皿の「ARAS」を生み出した石川樹脂工業。創業は戦後間もない1947年に創業。会長の石川章は、石川工業高等専門学校を卒業したあとに25歳にして会社を継いだ二代目。仕事のほとんどは受注生産で、飲食店で使用されるグラスから、水道用のフタまで樹脂で作れるものはなんでも作ってきた。その中にはスタバのドリンクグラスは国内全店が石川樹脂で作られている。章は経営者だが根っからの職人気質。注文応えるためなら採算度外視で、外注する金型も自社生産で作った。そんな父親の元に生まれた勤は、東京大学工学部を卒業後にP&Gジャパンに入社し、エリート街道をひた走った。しかし30歳を過ぎた頃に、父が会社を畳むかもと知り、2016年に自分が継ぐと決意した。しかし当時の石川樹脂には大きな問題に、受注生産の下請企業で、技術を安く買い叩かれ借金が膨らむばかりだった。入社した勤は取引先をまわり、値上げをと頭を下げて回ったが、怒鳴られて半分の取引先を失った。生き残るには売れる自社ブランドを作るしかないと考えた。
安価なプラスチックのイメージを変える新商品が作れないかと、目をつけたのは、金沢を拠点に活躍していたseccaというクリエイティブ集団。北陸の雪つりをイメージした皿や、国産の杉を使ったなめらかなフォルムのギターなど発想が際立つデザインのものを連発していた。seccaのデザイナーはプラスチックに安物というマイナスイメージがあったという。そこで勤は世界中から、新しい樹脂素材を取りよせてseccaとともにチェックしていった。こうして2年、ついに樹脂とガラス繊維を配合した新素材が誕生した。seccaの打ち出したコンセプトは料理を美しく食べられる皿。具体的な発想は、ハヤシライスを一番美しく食べるには?と考えた。こうして生まれたのが深皿スクープだった。それを実現したのは勤の父の章の高い技術力。新素材の皿が高品質で完成。章は会社を畳もうとした時期について、これまでも何回もあったと答え、借金もたくさんあったという。その理由にはできるかわかならないが「できます」と答えてしまい、自分でそうした機械を作ったり、設備もそれにあわせて作ってしまう。その設備も費用も自分で抱えるしかない状況になるという。勤はP&Gジャパンでは高待遇だったため、実家の家業を継ぐということには妻にものすごく反対されたと答えた。父は当初はこんなものが売れるのかとARASには懐疑的だったという。また息子が帰ってきての変化には、会社が別会社に生まれ変わったと答え、勤は父含めARASには技術者がいなければできず、スタートアップ企業では作れない商品だったと答えた。
ARASを生産するにあたり、勤が改革したことが2つある。1つ目はロボットの導入。原料の金型の注入まで人の手を介さずに工程を進められるようにした。一番効率があがったのは、樹脂工場ならではの余分な部分のカット。スプルーとは金型に樹脂を注入する際にどうしても必要な部分で、以前は手作業で行っていて、残った突起を滑らかになるまで削っていた。この作業もロボットに任せ、ロボットは現在27台を導入。生産効率が10倍になった場所も。また改革の2つ目が宣伝方法。SNSを使ってインフルエンサーを起用しているが、その人選ではフォロワーの数ではなく、インフルエンサーに撮ってもらった写真をARASのアカウントでも使用させてもらう契約で、ARASの世界観を表現できる人を探し出し、使ってみたくなる写真を集めている。その作戦は当たり、フォロワーは35万人に。食器ブランドではトップクラス。
石川樹脂工業の社員に石川会長&専務に聞きたいことを募集した。仕事現場では何度も親子のピリつく場面をみているが、本当の親子仲は?という質問を紹介。
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石川樹脂工業の社員に石川会長&専務に聞きたいことを募集した。仕事現場では何度も親子のピリつく場面をみているが、本当の親子仲は?という質問を紹介。父の章は年がいった人が負けるのは当たり前で息子に言ったことは反対しないという。勤は任せられる事がすごくさみしいと感じていて、一緒に仕事がしたいのにほっぽりだされているように感じているという。ピリついているのではなく、もっと一緒にやろうとようまく言えていない時があると答えた。
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石川樹脂工業の新商品発表が行われていた。その新商品は樹脂が固まる際にできるムラをあえて残したもの。かねてから一枚一枚違う焼き物のような器を作りたかった勤の夢に近づいた商品。また従業員や関係者を集めた全社報告会が開催されたが、10月に勤が社長になり、父の章は会長ではあるが非常勤になるという。
金原は今日の総括に、エリート街道まっしぐらの息子が、赤字続きの田舎の工場を立て直す。漫画みたいなサクセスストーリーだ。そんなに上手い話があるのかと、何か確執があるのでは、と疑ってかかっていた。しかし会ってみると、少々いがみ合うことはあるのだろうが、豊かな感情を交わしている親子なのだろうと分かった。父へのリスペクトを持つ息子と、息子の自主性を尊重する父が繰り広げたのは、逆転劇でもあるけれど、愛と敬意がテーマとなった家族劇とも言えるのではないだろうか。エイラスの製品が持つ重厚なイメージは章さんを、厚みや形を柔軟に変えるそのしなやかさは勤さんを思わせることに実際に手に持った時に気が付いた。このアンビバレンツな魅力、世代を超えて融合した技を持つこの製品は、きっと歴史に名を残すことになるだろうと、ひっそりと確信した。とした。
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カンブリア宮殿の番組宣伝。
