- 出演者
- 長谷川博己
オープニング映像。
Luupという会社のシェアリングサービスは2020年にまず自転車で事業を始め、翌年電動キックボードも導入し東京など都市部を中心に拡大し、今年3月にはユーザー数が600万人を突破。利用者の7割が20代から30代の若者で、利用料は基本料金の50円プラス1分ごとに20円。ポートと呼ばれる街なかの駐輪スペースで借りて移動先のポートに返却。時速20km以下で走行でき、雨の日以外は使っているという。ポートの数では業界トップを独走中。電動キックボードでは唯一無二の存在に。その創業者は東大出身の岡井大輝さん。ユニクロの黒い衣服でいつも身をまとっているが何かの主張をしたくないからだという。車両は5万台に。倉庫では毎日修理や定期点検に追われている。新たな交通インフラとして安心安全は最優先の課題。しかしその大きな懸念には、一方通行を逆走した利用者が歩行者と衝突し重傷を負わせるなどの交通事故。その安全性を巡っては、SNS上で危ない目に遭ったなどと批判の声が続出。車を運転する人からはLUUPは厄介者、規制をかけてほしいなどの意見が。
新しい乗り物が生活を変えるという映像が流れた。
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- ジョン・ボイド・ダンロップ
東京・品川区のLuupの本社。従業員は265人で、これまで自転車とキックボードを全て自社で開発してきた。使い勝手の良さを追及し、モデルチェンジはこの6年で自転車は12回。キックボードは16回。CEOの岡井さんは東京大学農学部出身。ダンスサークルの同期5人とLuupを創業した。そのうち3人がいまも経営の中枢に残り成長を支えている。目指すのは街じゅうを「駅前下」するインフラをつくること。その原点には祖母の境遇があった。介護のために自宅に通ってくるヘルパーたちを悩ませていたのは交通手段の確保。誰でも手軽に使える乗り物をと思い立った。高齢化社会を見据えながら、2020年にサービスを開始。新型コロナウイルスが蔓延する中で密を避けて移動できると急速の普及した。また追い風となったのは2023年の道路交通法改正。16歳以上なら運転免許がなくても電動キックボードに乗れるように。いまでは北海道、沖縄を含む18の都道府県に1万7千か所にポートを設置。ライバルのドコモ・バイクシェアやソフトバンク系のハローサイクリングと比べても急速に増加した。ポートの陣取り合戦を制しつつあるLUUP。その秘密は、コンビニの隣にポートがありその僅かな1台分のスペースが誰かの出発地や目的地に。また一回置いてもらえれば他社のものが置けないのもメリット。ライバルよりも先にスペースを見つけいち早く契約する。それが勝利へのカギ。住宅街ではマンションなどの空いた敷地に目をつけてきた。この日はマンションの所収者から新たな提案があり、まだポートを作れそうだという。
マンションに隣接する不動産会社の細長い三角形には所有地があり、その使い道に迷っていた。不動産会社としては無駄になっていたスペースをLUUPに貸し出すことで月に数万円の定期収入を得られるという。それ以上に賃貸募集の面でプラスがある。京都では最近、LUUPにさらなる追い風に京都府庁舎にはLUUPのポートがある。今年から公務でのLUUPの使用が可能になった。外国人観光客などの増加でバス乗り場での長蛇の列が日常的になったことで移動手段は生活する市民の悩みのタネ。LUUPの導入は全国の自治体で初の導入に。
さらに、1月16日未明に山手線と京浜東北線で停電が発生し、最大8時間の運転見合わせで67万人以上に影響した。その日の取材では運転見合わせの裏側で、動いていたのはLUUPの車両管理部隊。まず向かったのは新橋駅近くのポート。電車の運転見合わせは影響しておらず満車状態。そこに2台だけ残し、残り11台をトラックに積み込む。スマホに表示されていたのは車両が足りない上野駅近くのポートに移動し補充する。45台分の大きな駐車場所に残っていたのは8台のみ。この時東京郊外からの通勤客の多い上野駅や品川駅では、LUUPへの乗り換え組が急増している。LUUPの車両管理部隊は車両が余っているポートから足りないポートへと移動を急いでいた。この日は8時間の間に300台以上の車両を移動した。結果LUUPの新規登録者は前の週と比べて8倍に。
岡井さんは今サービスの存続をかけた重大な局面に立たされている。電動キックボードの利用者のモラルが問われる運転が目立つようになり批判の矛先がLUUPにも向けられている。中には高速道路に侵入するキックボードも。24年に発生した電動キックボードの交通違反は4万件以上に。1年前から5倍近くに増加した。フランスのパリでは3年前に住民投票を実施すると、電動キックボードのシェアリング事業は禁止となった。その翌年にはオーストラリア・メルボルンとチェコ・プラハでも禁止に。安全性に厳しい目が向かれる中で利用者の使い方次第とは言えない状況に。
岡井さんが交通安全の責任者に抜擢したのは高木僚平さん。大手広告代理店の社員を経て四年前に転職してきた。Luup本社ではスタッフがパソコンの画面と睨めっこをしていたが、高木さんが開発した危険行動検知システムのLUDASの運用を始めた。GPSの位置情報などから走行違反を検知する仕組み。LUDASの通知を確認し、違反者にはアプリ上で警告。違反が続く場合にはLUUPが利用できなくなる仕組み。さらに、ルート上の違反が起きやすい場所を事前に注意喚起してくれる。都市生活に適した利便性の一方で、利用者のマナーと安全への危惧が存続を脅かす。最大の課題と言えるのは、飲酒運転。利用する若者が多い東京・渋谷区で電動キックボードの事故については、事故を起こしたの38%が飲酒運転だったという。日本全国でみても電動キックボードは自転車などと比べて飲酒運転中の事故の割合が高い。
新しい乗り物が招く混乱という映像が流れた。
飲酒運転により存続を脅かされるLUUP。終電がなくなった深夜に東京・渋谷の繁華街ではLUUPを飲酒したまま乗ろうとする若者の姿が。しかしタクシーの空車は少ない。しかしその中でもLuupは飲酒運転撲滅の啓蒙活動を行った。渋谷区との共同事業で警察にも協力してもらう。岡井さんも自ら現場に立った。安全対策を指揮する高木さんは、具体的な対策を発案していた。スマホの画面にランダムに表れる矢印から同じ向きを選び早く正確にタッチ。3回以内にクリアできないと正常な認知能力がないとみなされLUUPが利用できなくなるという仕組み。これで飲酒運転を防ごうと考えた。夜8時に繁華街に繰り出した高木さん一行。居酒屋で酒をのんでいる一般人にこのアプリを試してもらい、時間などを記録しどんな差がでるのかを記録した。サンプル数を増やすために店をはしごした。しかし酒を飲んでいた19人中18人が1回目でクリアしてしまった。
大阪・関西万博でLuupの岡井さんは新型車両の3輪の新型車両のユニモを発表。その試作品のお披露目がされた。電動キックボードや自転車とは違い、高齢者でも乗りやすいことが最大の売り。今回自動車部品の大手のアイシンと手を組んで、試作品の完成にこじつけた。新型車両の最大の特徴は車体が傾いた時に自動で姿勢が戻る起き上がり技術のような制御技術。片方の車輪が段差に乗り上げても瞬時にバランスを保ち転倒しにくくなった。カーブを走行する時も、傾きすぎないように姿勢を維持してくれる。アイシンは1965年に創業したトヨタグループの中核企業。エンジン自動車の部品の製造と開発で世界トップクラスのメーカー。電動の小型モビリティが普及する未来を見越して20年以上前から独自の姿勢制度技術を開発してきた。高齢者も乗れる電動車両の開発に Luupが掲げた夢でありミッション。それを知ったアイシンの荒木さんが3年前に共同開発に誘った。しかし高齢者の利用実績は少なく問題の洗い出しが十分ではない。そこで動いたのLuupの自治体担当。データ収集のために実証実験を重ねる必要がある。この日はLUUPの導入に積極的な宇都宮市へ。交通政策の担当者に協力を仰ぐ。次世代型路面電車のライトラインを導入した宇都宮市。乗り場までの移動も充実させようとLUUPの導入を促進してきたが高齢者からは敬遠され利用者が少ないのが現実。3月には宇都宮市の中心部にあるオリオン通り商店街で社員が実証実験の準備に入った。運び込まれたのがユニモ。まだ世界に一台の試作品。試乗会がスタートした。
栃木県宇都宮市でLuupの新型車両のユニモの初めての実証実験がスタートした。乗るのは主に60歳以上の高齢者。女性は70代。過去にアキレス腱を切った経験があり将来の移動に不安を抱えている。その評価は上々となった。街の厄介者か、救世主か、その実験は続く。
「ガイアの夜明け」の次回予告をした。
「ワールドビジネスサテライト」の番組宣伝。
