- 出演者
- 長谷川博己
オープニング映像。
7月28日に発生した令和8年熊本地震。暮らしを守ってきた道路や橋の安全が大きく揺らいでいる。山本貴士さんは橋や道路の補修を手掛ける専門家。この日、被災地の状況をまわっていた。山本さんはインフラ補修の革命児で、番組でも取り上げた。いつ出来たのかわからない橋で記録もなく寿命もいつなのか誰にもわからない。山本さんの独自の工事が始まったが、ひび割れに充填剤を施すのは普通と同じ。一般の方法では表面を塗装し補修のあとを隠して仕上げる。山本さんは、特殊なコーティング剤を補修した壁面に塗っていく。独自に開発したガラス繊維シートは先程のコーティング剤の上に貼っていく。修復した痕跡が浮かびあがる唯一無二のスケルトン方法。山本さんが逆転の発想で生みだした。
高い場所から普通のコンクリートを落とすと割れるが、スケルトンならしっかり補強される。さらに中のコンクリートが割れるとその部分が白く濁り、再補修の必要性が目で見てわかる。従来の補修にくらべ工事期間は3分の1。費用は4割ほど安くなる。熊本地震のあとに、山本さんが確かめたいと向かったのは岩山をくり抜き、コンクリートで固めたトンネル。地震の直前の6月にスケルトン工法で補修工事を行っていた。この一体は震度5強の揺れに襲われたが、スケルトン工法がトンネルを守り抜いていた。この秋に頻発する豪雨も橋や道路の大敵。昭和の時代に発展した日本のインフラは今軒並み老朽化が進む。コンクリート寿命は悪条件では50年と言われる。それを超えた橋は42%あり、トンネルは28%。今後も加速度的に増えていく。財政難と人手不足の中どうするべきか?
誰が救う?インフラ老朽化という映像が流れた。
山本さんは山口県でエムビーエスという会社を一代で築いた。100人以上の従業員は全国を飛び回り、建設業界を驚かせたスケルトン工法は2008年に開発された。その4年後には2012年12月に中央自動車道の山梨県の笹子トンネルで崩落事故が発生。天井が100m以上にわたり崩れ落ちて9人の命が犠牲に。点検や管理が不十分だったことが原因の一つと調査報告は指摘している。笹子トンネルの事故はスケルトン工法が注目されるきっかけになり、トンネルや橋を補強するだけでなくその後の点検もしやすくなる。現在高速道路やJRなどの補修工事や新規工事に採用される。全国1800か所に使われ道路や鉄道を守ってきた。去年12月には緊張した面持ちの山本さんが向かったのは世界的企業の村田製作所。共同開発の打診があった。村田製作所は売上高1兆8000億円で世界で7万人以上が働く総合電子部品メーカーで自動車やスマホなど電子機器に欠かせない積層セラミックコンデンサーの製造販売で世界シェア1位。ラブコールを出したのは安藤さん。関西学院大学を卒業後に村田製作所に入社。村田の発明王と数々の斬新な発明を生んだ。電圧をかけるとフィルムが収縮し空気を揺らして音を出しているスピーカーなど安藤さんが関わった特許は130件に及ぶ。数百億円の売上に貢献してきた。その安藤さんがインフラの危機に関心を持ったのは14年前に笹子トンネルで起きた崩落事故。安藤さんはコンクリートのみ守るセンサーを試作してきた。
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ガラス管に入っているのはRFIDという識別情報入りのICタグ。電池は不要でリーダーをかざすと個々の情報を読み取ることができる。雨風に弱いICタグをガラス管に入れ守り、ガラス管が壊れればタグが読み取れなくなる。それが安藤さんのアイディア。コンクリートにひび割れが生じると同時にガラス管も割れて中のタグが外気や水分に触れて腐食。リーダーからの呼びかけに反応しなくなりコンクリートの異変がわかるという仕組み。その最大の過大はいつどうやってガラス官を埋め込むか。そこでスケルトン工法で一緒に貼り付ければうまくいくのでは?と考え共同開発のラブコールはそうして生まれた。
山本さんは山口県宇部市に生まれ、父の会社が倒産し夜逃げを経験。その後働いて家族を支えるために高校を中退。グレた時期もあったが20歳で起業し最初の事務所は仲間と2人で足場組立業からスタート。そこで疑問に感じた外壁のリフォーム業に進出。長く持つ丈夫なコーティング剤を探したところ、イギリスの製品を発見し、直談判で契約にこぎつけた。その後コーティング剤にあわせるガラス繊維シートを独自に開発。10年がかりでスケルトン工法を完成させた。こうして村田製作所との試験がスタートし、スケルトン工法が救世主になるのかを確かめる。まずはガラス繊維シートでコンクリートを覆い、その上に村田製作所が開発したガラス管入りICタグを置く。それをコーティング剤で固定し、最初の関門はコンクリートのひび割れでガラス管で一緒に割れるかどうかの実験。コンクリートに負荷を駆けるとスケルトンが白濁しコンクリートにひび割れが入った。するとガラス管も割れた。ひび割れと同じ箇所で割れていたものの、一方でひび割れのない箇所のガラス管は割れていない。そして次にコンクリートが崩落した時にガラス管が飛び散らないかを検証すると、この実験も問題ないことがわかった。その3ヶ月後には歯がゆい事態が発生した。
山本さんは次の一手として東京・六本木のベンチャー企業に1億円を投資し業務提携を結んだ。ドーナツ ロボティクスは日本製の頭脳と中国製のボディを組み合わせた人形ロボットで注目。山本さんが期待をよせるシナモン1は開発の途上だという。シナモンはジェスチャーの指示を理解する人型ロボット。騒音の激しい建設現場などでの活躍を見据え、特許を出願している。山本さんが1億円を投資したのはシナモンをチームスケルトンの新戦力に考えたため。深刻な人手不足に苦しむ日本の建設業界。工事を担う人材は減り続けている。シナモンが物を持ち運ぶためには個別に一から学習が必要で、この時点では学習に三か月必要。いずれは物の特徴を瞬時に判断することを目標にしている。シナモンはこの10か月後に実際の補修現場に立つことになる。
“当たり前”が揺らぐニッポンで…という映像が流れた。
豪雨災害が日常になった日本。6月には台風7号猛威をふるい、京都や大阪で未明から大雨に。マンホールが浮き上がり、路面がめくれ上がるなどのインフラの老朽化に追い打ちをかけた。京都にある村田製作所の本社では雨が弱まった合間を縫って村田の発明王の安藤さんたちが動いた。3か月前にはコンクリートのひび割れとともに、ガラス管が割れることを確認し、異変の発見に前進していた。想定通りならガラス管の中野RFIDタグが外気や水で腐食し通信ができなくなっているはず。しかし、腐食は進んでいないのか全てのタグが反応し、これではコンクリートの異変に気づくことはできない。しかし安藤さんはタグに機能として湿度センサーを入れたという。元々のガラス管は内部が20%に保たれていたが、ガラスが割れると外気が入り湿度が上昇。それを読み取ればコンクリートの異変がわかる仕組み。最初の実験ではガラス管が割れた途端に湿度が上昇した。これでコンクリートの異変がわかるようになる。コストダウンに向けてタグが壊れやすくなる工夫も続け、両方を使い分けて行く方針だという。
8月に山本さんのもとにシナモンがやってきた。バージョンアップした2で、現場デビューの日がやってきた。
8月下旬に山本さんが補修を請け負った現場へ。床と壁がコンクリートで覆われた、かつて造船所として使用されていた施設は海水とともに船を出し入れし造船や修理に使用していた。海水のしぶきと潮風にさらされて50年以上耐えてきたコンクリート。老朽化が進む日本のインフラ縮図で、山本さんはここをチームスケルトンの実験施設にしたいという。チームスケルトンが共同開発したガラス管入りタグを設置し、コンクリートの壁面を使った実証実験ではモルタルを塗って修復した部分と塗っていない部分の境目を使う。ひび割れなどの異変が生じやすい。湿度センサー付きタグを設置。湿度の上昇で異変を知らせる仕組みを初めて現場で試す。
8月に山本さんのもとにシナモンがやってきた。バージョンアップした2で、現場デビューの日がやってきた。さらに現場には犬型ロボットのcocoaが登場。段差や起伏、強い日差しが雨風の現場で人の役に立てるようにその一歩を踏み出した。
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チームスケルトンのシナモン 2も現場にやってきたが、11月から本確定な修行を始めるという。
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「ガイアの夜明け」の次回予告。
「ワールドビジネスサテライト」の番組宣伝。都区部の↑物価2.7%
