2023年7月24日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
▽韓国で今“日本ブーム”!アニメ、居酒屋が大流行!その深層は

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
オープニング

今韓国で日本のコンテンツが次々とヒット。今年1月に公開された「THE FIRST SLAM DUNK」は観客400万人を動員し、新海誠監督の「すずめの戸締まり」は観客500万人を突破した。繁華街に多くある日本風居酒屋では”おまかせ”という注文の仕方がブームになり、J-POPもヒット曲が次々と生まれている。こうした現象を韓国のメディアは”イエスジャパン現象”と命名。少し前まで韓国では”ノージャパン”が起きていたが、一体どうなっているのか現地で徹底取材した。

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イエスジャパン現象 いま韓国で何が?

韓国で行われた日本に対する好感度調査によると、2019年のノージャパンの頃と比べると現在は回復基調に。特に18~29歳の若い世代が最も高い数字となっていた。その若い世代では生活の中に様々なイエスジャパン現象が起きているという。

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韓国で”イエスジャパン現象” 深層に迫る
イエスジャパン現象 日本語を話す韓国若者

今韓国の若者たちは”ハングゴ(韓国語)”と”イルボノ(日本語)”を混ぜた”ハンボノ(韓本語)”を日常的に使用。日本語のアニメや音楽を通して日々日本語に接するうちに簡単な単語を会話に織り交ぜて楽しむ若者が増えていて、あるユーチューバー夫婦は様々なハンボノを紹介し登録者は30万人に上るという。また、ハンボノにとどまらず流暢に日本語を話す若者も。偶然出会った女性2人組は、最近オープンしたばかりの人気のお店へ。この店では日本語で会話するのがルールだが、日本語を話したい韓国の若者が集まり連日満席状態だという。

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イエスジャパン現象 J-POP人気 そして・・・

日本の音楽も韓国の若者の間で広まっている。韓国のSNSでは、日本人アーティスト・imaseの曲に合わせて踊る動画が流行。若者たちは最先端のJ-POPを発掘していて、世界各地で再評価されている70年代・80年代の日本のシティポップも韓国のDJがいち早くその魅力に目をつけたという。専門家は、若者たちが牽引するイエスジャパン現象の背景には韓流映画やドラマ・K-POPなどの世界的ヒットによる若者たちの意識の変化があると指摘。これまでの世代とは違う感覚で日本を見つめる韓国の若者たちの関心はより深まっていて、注文を料理人に委ねる”おまかせ”スタイルも今人気を集めていた。

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イエスジャパン現象 ゴージャパン現象も

そして、韓国から日本に来る観光客の数も増加。日本を訪れる外国人観光客は先月207万人だったがそのうち国別1位が韓国で全体の約3割を占め、韓国では”ゴージャパン”とまで言われているという。ここからは韓国の政治・文化に詳しい木村幹が解説。木村は「”ゴージャパン”などと言われると凄いことが起こっているように見えるが、私の感覚だとまだブームというほどではない。コロナ前の2018年には700万人もの観光客が日本に来ていた。」と指摘。韓国の人々が日本のどのようなところに魅力を感じているかについては、「昔は先進国の日本が憧れだったが、いまの韓国にとっての日本は少しのんびりしたイメージで、そこに魅力を感じている。」などと話していた。

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イエスジャパン現象 なぜ今日本に魅力を?

日韓関係を遡ると、歴史的な権威もあり長らく日本の映画やマンガなどが制限されていたが、1998年にキム・デジュン大統領(当時)が日本の大衆文化を解禁。解禁第一号の日本映画は、北野武監督の「HANA-BI」だった。2002年にはサッカーW杯日韓共同開催もあり、日韓関係は良好に。しかし2012年、イ・ミョンバク大統領(当時)が竹島に上陸するなど日韓関係が急速に悪化し、2018年には「徴用」を巡る問題が浮上。2019年には日本が韓国に対し半導体素材の輸出管理を強化し、これに反発した韓国ではノージャパン運動・ボイコットジャパンが広がった。一転したのは去年、ユン・ソンニョル政権が誕生し、12年ぶりのシャトル外交が行われるなど関係は一気に改善。ただ、今回の取材でもイエス一辺倒ではない厳しい意見もあった。また、約50年前と今とでは韓国での日本の存在感も変わってきているという。

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揺れ動く日韓関係 複雑な思いも

韓国・テグに住み30年来のスラムダンクファンというチャン・ソンウンさん。当時は日本の大衆文化を輸入することが禁止されていたため、登場人物は全て韓国の名前だった。大衆文化解放後様々な日本の文化に触れるようになったチャンさんは、何度も旅行に出かけるほど日本好きに。その後日韓関係が浮き沈みする中でも気持ちは変わらなかったが、2019年にノージャパン運動が激しさを増すと苦しさを感じたという。チャンさんと同じ思いをしたという人は他にも。子どもの頃から親しんできた日本文化を経営するカフェで紹介しているキム・ジョンソンさんも、ノージャパン運動の際には周囲の住民から数多くのクレームを受けたという。しかし今では、イエスジャパンの影響で1ヶ月先まで予約が埋まるほどになっていた。親子でスラムダンクのファンになったチャンさんは、親子で一緒に楽しめる悦びを噛み締めながら更に良い時代が来るよう願っているという。

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スタジオ解説。今後の日本と韓国の関係性について、木村幹は「今後も歴史認識問題などは出てくると思うが、それとは別で好きなものや文化を楽しめる状態を作り上げるというのが我々にとって重要」などと話していた。

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