2024年6月5日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
その“QRコード”大丈夫? 巧妙化するキャッシュレス詐欺

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
◯◯ペイを悪用!?相次ぐ“返金詐欺”とは

◯◯ペイを悪用した詐欺が広がっている。QRコードを読み込むだけで支払いができるコード決済は急速に利用が広がっている。一方で詐欺の被害が相次いでいる。コード決済に関する相談件数は東京都だけで1300件を超えている。増えているのが返金詐欺。

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東京都消費生活総合センター
オープニング

オープニング映像。

その“QRコード”大丈夫? 巧妙化するキャッシュレス詐欺
◯◯ペイを悪用!?相次ぐ“返金詐欺”とは

コード決済の利用は急増していて、去年の利用額は10.9兆円。被害で特に多かったのが◯◯ペイを使った返金詐欺。

3月に返金詐欺に巻き込まれた30代の佐藤さん。通販サイトで洋服を購入したのがきっかけ、低下の4分の1、約13000円で売られていたという。銀行口座から代金を振り込んだ数日後に、欠品していると連絡がありキャンセルをするとの連絡がきた。返金方法として指定されたのがコード決済のPayPay。相手からは返金ができないとの連絡が続いた。佐藤さんの元に販売元から電話がかかってきた。相手から送られてきたQRコード。読み取ると表示されたのは佐藤さんから知らないアカウントへ支払う画面。金額の欄には返金額とは金額がすでに打ち込まれていて、ボタンを押すように指示された。早く返金してもらいたいとボタンを押すと、なぜか19万円の支払いは失敗して被害は免れたが、振り込んだ13000円は返ってこなかった。番組には同様の手口で数十万円の被害にあったという声があった。

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PayPay

50万円をだまし取られて今も取り戻せていないという60代の鈴木さん。去年10月、中古洋服の代金11000円をPayPayで返金すると言われ、通話をしながら相手の指示を受けたという。送られてきたのは払い戻すためだというURL。電話を切ったあと銀行口座を確認すると、50万円が抜かれていた。返金詐欺の手口は、通販サイトから商品の代金を返金したいと連絡をうけた被害者に連絡をし、コード決済を使ってお金をだまし取る。鈴木さんはすぐに被害届を提出したが、今も警察から連絡はないという。

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PayPay
“返金詐欺”側に接触 大胆手口の一部始終

鈴木さんが被害にあうきっかけとなった通販サイトに問い合わせをしたが、電話は繋がらない。記載されていた住所を訪ねてみたが、不在。表札は違う会社の名前になっていた。返金詐欺を行う相手と接触し、手口の詳細を明らかにできないか通販サイトを利用して相手からの連絡を待った。そして、欠品のため返金したいというメールが届いた。被害届のものと比べると全く同じ悶々だった。誘導されたとおりにやりとりはじめると、端末画面が相手に見えるように設定されたあと操作の指示が入る。こちらのアカウントが制限されているため返金できないと相手は主張する。制限を解除するために必要だといくつもの操作を指示される。20分以上やりとりが続き、返金に必要な数字とQRコードが送られてきて読み込む。ここでNHKであることを明かして山本と名乗る相手に質問をした。詐欺ではないかとの質問には詐欺ではないとして一方的に通話を切られてしまった。

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PayPay
◯◯ペイを悪用“返金詐欺” 手口の特徴は?対策は?

返金詐欺の手口を取材して分かったのは、被害届が商品を購入しようとした通販サイトは偽サイトだった。悪用されたコード決済サービスは複数確認された。森井昌克さんは返金詐欺の手口は比較的新しい、有名人を語った投資詐欺に比べると額は少ない、被害に気づいていない人もいて届け出ない人もいるので全体像が把握できていないのだという。返金詐欺にあわないように気をつけるポイントは、返金がコード決済、QRコードなどの読み取りを要求してくる、登録情報を聞いてくる、これらは詐欺だと疑うべきだという。

◯◯ペイ悪用“返金詐欺” 決済事業者の対応は

コード決済大手のPayPay。撮影が許可されたのはセキュリティセンター。AIと人が24時間体制ですべての決済を監視している。普段の利用金額とかけはなれている場合や、数分で決済場所が移動した場合は不正の疑いがあるとして取り引きを一時停止する。その数は1日数千件にのぼる。返金詐欺はどのくらい防げるのか?番組に寄せられた被害について聞いてみた。19万円をだまし取られそうになった佐藤さんの取り引きについては防げだものだという。一方で50万円をだまし取られた鈴木さんの取り引きは不正と検知されていなかった。システムの死角をつく手口にどう対応するか事業者は頭を悩ませている。返金詐欺の相談件数は去年から約7倍増加し、約40億円をかけて不正対策をしてきたが、自ら送金してしまった場合の保障はできないという。

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PayPay

メルカリでは偽の通販サイトを監視し、被害を防ごうとしている。運営するフリマサイトに掲載される商品の情報を無断で流用しているというサイト。こうしたサイトを分析すると、実在する海外のホームページの一部を改ざんしていることが分かった。会社では偽の通販サイトを利用しなように注意喚起をしているが、今でも被害は無くなっていない。

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メルカリ
どうする“返金詐欺” 防ぐには?救済策は?

森井昌克さんは事業者はかなり努力をして対策をしているが、コード決済は簡単にできることがメリットになっている、利便性があるということは安全性が損なわれてしまうと指摘。安全性にカジをとるべきときがきているのかもしれないという。銀行では第三者が操作、振り込め詐欺などで自ら送金してしまった場合も救済の仕組みがあるが、コード決済事業者は自ら送金した場合の法律や取り決めはない。森井昌克さんは詐欺で操作をしたのだから何らかの保護をするべきだとした。

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