- 出演者
- 桑子真帆
電動キックボードの事故や違反が急増している。電動の乗り物が次々と登場し高まる利便性、安全性とどう両立できるのか考える。
オープニング映像。
電動キックボードやモペットなど新しい電動の乗り物の普及が進んでいる。電動キックボードのシェアサービス最大手の乗り場数は今月に入り1万1700か所と急増している。普及とともに増加しているのが、事故や違反。事故件数はこの3年で10倍以上いなっている。
電動キックボードに関するアンケートでは、38%の人が公道上で危険な運転をしている電動キックボードを見たと回答。接触された・されそうになったという人は14%いた。利便性と安全性をどう両立するのか?国や専門家の間でも議論になっている。2023年、道路交通法改正の議論に参加した高橋信行さん。有識者検討会では大きく意見が分かれたという。検討会では公共交通を補う交通手段とされ、規制緩和の要望があがった。一方で安全を懸念する意見もあった。特に歩道通行について議論されたという。2023年に改正道路交通法が施工、乗る時に必要としていた免許証は不要になり、ヘルメットは努力義務、歩道は安全性の観点から時速6キロ以下に制限で通れるようになった。
インバウンドの影響で観光客が増えている北九州市。ドライバー不足からバスやタクシーが減り、観光客の移動が課題となる中で電動キックボードの導入を後押しすることにした。市はシェアサービスの普及を支援している。しかし、利用が拡大する一方で安全面の問題は大きくなっている。ルールを把握しきれていないことがその一因となっていた。今、警察とシェアサービス事業者はルールを周知するための活動に力を入れている。シェアサービスの国内最大手の事業者は安全対策が最優先事項になっているという。利用登録の際に、交通ルールテストを実施、全問正解が必須となっている。さらに、アプリ内で飲酒運転の注意喚起、違反者には利用停止も行っているが、さらなる対策が必要だと考えている。
鈴木美緒さんは電動キックボードの安全性と利便性について、日本では利便性を重要視しているように思うという。交通違反による検挙件数は全体で4万5536件、うち通行区分違反が58%。飲酒運転での事故割合が17.2%と高い。鈴木美緒さんは利用者はモラルが関わる違反もあるが、知識不足が原因というのもあると指摘した。道路交通法における車両区分を紹介。もともと、電動キックボードは電動機付自転車とされていたが、2つに分けられ新しい区分になった。このルール改正を知らずに、気づかないうちに違反をしている可能性もある。
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- 東海大学
ベルギーでは行政と事業者が一体となって安全対策を進めたきた。国は新しい法律を施工することでルールを明確化した。電動キックボードは自転車と同じ道路を通行するように定め、歩道の走行は禁止、罰則を設けた。自治体は事業者の管理に力を入れた。ブリュッセルでは自転車をライセンス制にした。安全性を評価された事業者は事故を減らす仕組みづくりをしている。対策のカギとなったのは速度をどう抑えるかだった。新しい利用者には初心者モードが適用されるようにした。料金の仕組みを変えて、安全運転につなげる試みも効果が出ている。日本では利用時間によって料金が加算されていくが、この事業者は距離によって料金を算出している。その結果、平均速度が10%減少した。自治体と共同して指定された地域では自動的に速度が制限されるシステムも導入した。
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- ブリュッセル(イギリス)
世界では安全性に重きを置くという動きも出てきている。事故が相次いだことなどから、シェアサービス禁止している所もある。鈴木美緒さんは危険だから乗ってはダメというのはもったいない、可能性のある乗り物だから工夫していく必要がある、行政と民間が連携して環境を作っていくことが重要だとした。行政が利用者に安全なルートを案内することができると思う、より実践的なルールを教えていく教育の仕方の工夫も必要だという。