- 出演者
- 桑子真帆
かつてはみんなの憧れだった管理職。今は部下の働き方にも精神面にも気をくばるなど様々な仕事に追われる令和の管理職。そんな上司を救うべく驚きのサポートサービスが続々と登場している。令和の管理職はどうあるべきか探る。
オープニング映像。
管理職のあり方は時代とともに移り変わってきた。24時間タタカエマスカが流行語となった平成元年、職場にコンプライアンスの意識が強化されるようになった平成20年、令和の変わり目にかけて働き方改革が導入され限られた時間が成果が求められるようになった。管理職には部下の成長支援、キャリア面談、メンタルケア、ダイバーシティー対応などが加えられて罰ゲーム化とも言われる状況が生まれいる。
大手介護用品のレンタル会社に務める松波雄治郎さん。3年前に営業所長となり、日々管理職業務の大変さに苦労している。売上目標の管理のため毎日欠かさず、部下一人ひとりのノルマの進捗を確認。その傍ら、自らも営業活動をする。今一番の悩みは部下のマネージメント。部下の年代は20代から50代で経歴も働き方も様々。休憩時間にも部下の悩みを聞いて精神的なケアも欠かしない。さらに、部下に同行し、成長支援もしている。連日、残業をしても部下全員のマネージメントには限界を感じている。そこで、この企業が4月から導入したのはAIによる管理職サポート業務・通称AI上司。部下の仕事ぶりを見える化してくれるサービス。
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- 練馬区(東京)
AI上司はどんな仕組みなのか?チャットや会議、メールなどの記録を日々分析することで、社員それぞれの特徴を分析、その特徴をもとに業務内容やパフォーマンスを評価し、レポート化したものが管理職に共有される。中には悩める社員にいち早く気づく退職リスクも推測している。
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- 新宿区(東京)
この日、AI上司から気になる報告が届き、松波さんは部下と面談した。営業先に「行ければ」という曖昧な言葉にAI上司は着目した。この言葉はネガティブな言葉ではなく積極的に営業先をまわろうという積極的な言葉だった。
外部の人材を取り入れる新たな取り組みもある。それが上司代行。管理職不足などの悩みがある企業が、上司代行をオファーし、マッチングした上司がマネージメントを部分的に代行するサービス。2年半前にはじまり現在は154社が利用している。上司代行をしている安井さんが担当しているのはウェブ広告のマーケティング会社。安井さんがサポートするのは管理職3年目の中司さん。その部下14人の育成を代行する。安井さんは大手IT企業で事業開発など様々な管理業務を歴任してきた。この日は新規事業の心構えを伝授していた。さらに、個別のキャリア相談にも対応し、外部の目からアドバイスをしている。気づいたポイントはメモにして実際の上司である中司さんに共有する。
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- 文京区(東京)
負担が高める管理職の対し、AI上司、上司代行などの新しい取り組みがある。小林祐児さんはAIで評価をどこまで納得感ある形でできるかが肝になると指摘、上司代行は長期的な関係を気づくことが難しい可能性があるかもと指摘した。管理職の悩みについて聞いてみると、部下の育成、部下とのコミュニケーション、部下の評価・フィードバックと部下に関わるものが多い。
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- パーソル総合研究所
性格の傾向を振り分けるオンラインツール。手軽さとエンタメ性の高さから若い世代で流行している。都内にある化粧品会社では上司と部下の会話のきっかけとして使っている。美容クリニックの運営会社では職場のコミュニケーションの一助になっている。
性格の傾向を振り分けるオンラインツールについては医学的心理学的根拠が十分に検証されていないという指摘もあり、提供した企業も職業の適切を見極めるものではないとしている。おととし、一般社員が管理職になりたくないと答えた割合が77.3%だった。小林祐児さんはかつてはキャリアは当たり前に目指すものだったが、今は自分に憧れてくれない部下をどう成長させるかとなっている、一面的に正解のマネージメントが見えにくくなっている時代だという。
営業職、28歳の杉山修平さんはAI上司は影の努力を見える化してくれるという。AI上司は見えない部分を見くれるのはすごくいいことだと思うとした。上司代行を利用する企業の清水遼さんは自身のキャリアを考える上で視野が広がったという。社外の方がフラットに意見をいただける、ミクロ・マクロの使い分けがいいとした。岡部友樹さんは性格の傾向を振り分けるツールを上司との会話のきっかけに使っている。山田純気さんが務める会社は管理職がほぼいないという組織体制。
管理職がいないとは?山田さんが働くウェブデザイン企業を訪ねた。以前は管理職だった男性は今は一般職のリーダーという立場。指示はせず声かけて相手が自主的な判断をする。この企業の組織体制は、社員を5人ほどのユニットにわけた上で管理業務を分散、人事評価は役員が担い、リスク管理は総務部が担当。業務の管理はメンバーそれぞれが行いリーダーと対等な立場で働く構造。社員は上司から管理されない代わりに給与の査定においては成果を示す必要がある。この企業では全社員の業績を見える化し、それを踏まえ社員が給与を自己申告する制度に変えた。
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- 名古屋(愛知)
小林祐児さんは管理職が一番楽になるのは部下の成長、先回りする部下に成長すること。しかし、忙しくなった上司は逆のことをやりがちだという。マイクロマネジメントというが、上司は細かく管理し、部下が指示待ちとなる状態のこと。これでは部下がなかなか成長しなくなる。部下が自主的になるためには、全部100点をとるのではなく、プロジェクトごとにメリハリをつけるのが大事だという、余白がない限り全部上司がやってしまいがちだという。