2025年12月9日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
いつまで運転できる? 最新科学で迫る!高齢者の“運転寿命”

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

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名古屋(愛知)
#5078 いつまで運転できる? 最新科学で迫る!高齢者の“運転寿命”
あなたの“運転寿命”は? 最新科学で測定!

70歳以上の高齢者がいる家族に免許返納について聞いたところ、「勧めたい」と「勧めたことがある」を合わせると7割を超え、理由としては82%が「事故を起こしてほしくない」と回答した。一方で運転する本人に交通事故を回避する自信があるかと聞いた調査では高齢になればなるほど「そう思う」という回答が増えた。今、安全に運転できる期間を“運転寿命”として客観的に示そうとする取り組みが広がっている。

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エイチームホールディングス日産自動車

運転寿命に関わるのは年齢とともに衰えがちな目の働き。ゴーグルを装着し目を動かすだけで運転能力を測定できる装置は視界の広さや明暗への対応力を測定する。このシステムを開発した大学発のベンチャー企業ではタクシー運転手500人のデータを収集、眼球運動と事故歴の関係を分析した。ゴーグルを開発した企業はこうした大量のデータをもとに客観的に運転能力を測定することが重要だと考えている。

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神戸(兵庫)

深刻な事故を引き起こす大きな要因にペダルの踏み間違いがある。踏み間違いによる死亡事故のうち7割が高齢者によるもの。そのメカニズムを脳科学の観点から解明しようとする研究がある。認知学の専門家・川合伸幸さんが行ったのは高齢者と大学生のペダル操作の比較。アクセルとブレーキを模したペダルを表示された記号に合わせて踏み分けるテストを行った。その時の脳の血流量を計ったところ、アクセルを踏んだ時に高齢者の方が血流量の変化が大きく脳により負荷がかかっている。ブレーキを踏む時は高齢者の脳にはさらに大きな負荷がかかっていた。こうした脳に負荷がかかりやすい状態にさらなる負荷が加わると踏み間違いが起きやすくなるという。

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交通事故総合分析センター

交通事故全体の約6割が交差点での事故。佐賀大学特任教授の堀川悦夫さんは240人分の運転データを分析する中で一つの傾向を突き止めた。曲がる時にアクセルを何度も踏むといった迷いが頻発することで事故が起きやすくなるという。こうした知見を元に複数の機関が連携して運転能力の見極めを行うシステムを佐賀県に作り上げた。運転への不安があると病院を訪れた70代の男性に認知機能の検査を行い、脳神経内科の専門医の診察やシミュレーターでの検査も行った。そして、教習所でセンサーを取り付けた車を運転してもらい運転操作に問題がないか分析した。複数の指標をかけ合わせることで高齢者の本当の運転能力を見極めようとしている。

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佐賀大学佐賀県佐賀県医療センター 好生館
いつまで運転できる? “運転寿命”で客観視/いつまで運転できる? 本人と家族の溝を埋める方法

自動車教習所・自動車運転外来・健康診断で運転能力の評価をする取り組みが進んでいるが、まだまだ普及していない。一つの理由として高齢者が自分の運転に自信を持っていて、なかなか測定しようという気持ちにならないという背景がある。免許返納の件数は2019年、池袋の暴走事故が起きた年をピークにその後は減少傾向にある。地方部においては車の運転ができないと生活そのものが成り立たないことがある。年を取れば取るほど運転技能の高低の差が広いので、年齢だけでは決められないので「〇歳なのに運転?」という言い方は避けるべき。自身は運転に自信がある方が多いので、ポジティブな声がけをした方が良い。

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池袋(東京)運転免許統計
“運転寿命”どう延ばす? AIで運転のクセを見抜く

AIを使ってフィードバックすることで気づきにくい運転のクセを改善しようという取り組みがある。佐賀大学の研究室では運転中の一挙手一投足を複数のカメラで記録している。すべての記録をAIを使って解析、リスクのある運転行動を検出していく。AIを使ったフィードバックを4か月続けた実証実験の結果、スコアが低い人ほど高い改善効果が見られた。

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佐賀大学
“運転寿命”どう延ばす? カギは“同乗者”!?

同乗者に注目し運転寿命を伸ばそうとする研究が実用化に向けて動き出している。AIを搭載し対話ができるロボットが運転中に助言をしてくれる。GPSなどから車の位置情報や加速度を測り地図と照合、それをもとに運転の助言や安全かどうかの評価もしてくれる。実証実験では一時停止などの運転行動に改善効果が見られたという。ほめる設定をした一時停止は問題行動が減少した。一方でほめる設定にしたなかった場合は問題行動がうまく改善しなかった。

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シャープポットスチル住友商事名古屋大学田中貴紘
“運転寿命”どう延ばす? ポイントを徹底解説!/誰もが移動しやすい社会に求められることは?

運転寿命を延ばすことは健康寿命を延ばすことにつながるという。高齢者3500人が2年間の間に要介護状態になってしまうかを追跡調査した結果、運転を継続していた方々に対して辞めてしまった方はそのリスクが8倍に高まっていた。運転寿命を延ばすのに重要なのは補償運転。ゆとりあう運転で機能低下を補う。交差点での確認は目線だけでなく首を動かし、声に出して確認を行うとよい。運転寿命を延ばすために注目されているサポートカーは衝突被害軽減ブレーキなど装備が装填されていて、サポートカーなら運転できる限定免許もある。海外では時間や場所を限定した限定免許がある。

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国立長寿医療研究センター

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