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オープニング映像。
写真家の宮崎学はカメラに自分のニオイをつけて対象の生き物がとれるよう試していた。すると、動物たちが次々にニオイを確かめにやってきた。長野県伊那谷は中央アルプスと里の間の山の中で宮崎は50年以上毎日のように森を歩いてきた。これまでに生き物に何度もカメラを倒された。犬よりも遥かに鼻が効くようで人を意識しているようだ。カメラに様々なちょっかいを出すこともわかり、モノにした一枚がある。三脚に触れた瞬間に自動でシャッターが切れる仕掛けでツキノワグマの狙ったポーズが撮影できた。生態を徹底的に調べ行動を読む。正面から飛来するカケスやフクロウなどが撮影できた。駒ヶ根高原は森の中の観光地。20年前のこと、自動撮影のシステムを自作し、1年間遊歩道に設置。ここがスタジオで、そこにうつったのは、当時この場所では目撃情報がなかったツキノワグマの姿が。誰にも見られない歩き方をしていることがわかった。
長野県ではクマは里に出没し捕獲され場合は原則耳タグがつけられて奥山に離される。人の強さを教えるためにお仕置きをする場合も。しかしクマとの軋轢は続き、目撃数と人身被害は過去最多に。県が推定する生息数は3800頭から1万と幅が大きい。宮崎は、撮影用の様々な装置を自作している。クマの実態を解き明かすために作ったのはクマクール。またクマの性別を確認するマタミールというカメラで確認できる場所も設置した。伊那谷に6台を設置し膨大なデータがとれた。高速道路から少し上流の河川敷で、クマが集まる場所をみつけた。カメラを仕掛けると親子の様々な姿をみることができた。コグマたちは親がカメラをチェックする様子に学んでいるようだ。また親離れしたばかりのメスを張り込むがバイクなどで阻まれた。
森の中の別荘地にクマがやってきていた。足音はしないが耳にはタグがついていて過去に捕獲された経験のあるクマだったがそっと姿を消した。隙をついた里に忍び込むクマたち。花農家の温室付近には5頭のくまがうろついていた。その花も被害にあったという。
駒ヶ根高原の山際の養魚場でマスを育てているがそこにクマが集まってくるという。この用に人が作った環境を利用する動物たちの姿が。人間社会の今の姿を動物たちはみているという。高速道路の巨大な橋の下では他野生動物の姿が夜にあったという。地面を舐めていたがここには塩化カルシウムが染み込んでいるという。冬に雪が降りその氷を溶かすためにまかれるが溶けてアスファルトに染み込む。雨がふると、それを含んだ水が道から降り注ぎその場所に溜まっていくという。シカは生きるためにミネラルが必要。人がサプリを与えている状態だという。ヒノキの植林地にいた宮崎。木の樹液をクマが舐めている形跡があった。こうして皮を剥がれた木は枯れてしまうという。かつて傾斜地に広がっていた畑は荒れ、森になった。戦後の政策で植林地が増えたという。アブラチャンの実のなる木が多く、動物が運んでいる。かつては薪として使用されていた。またクマの糞を洗ってみるとそこからはダンコウパイやクロモジなどの樹の実を食べていたが充実した食生活がうかがえる。
お右側道路の上流の河川敷では、木の切り株に来ると読んだ宮崎。するとそこにクマが現れていたが腐った木に巣を作るアリを狙っていたが、このクマは左後ろ足の先がない。様々な動物が足先にケガをしていたがくくりわなにかかった後だという。意図せずクマがかかることもあり、逃れようと足を怪我した可能性がある。伊那谷の複雑な河岸段丘は、人里まで森がつながっている。そこには巨大なクマがいたが左足の先をなくしたクマが。たくましくずる賢く行きているという。写真には餌場に向かうクマが撮影されたという。
エンディング映像。