2023年12月10日放送 15:05 - 15:50 NHK総合

デザインミュージアムジャパン
2023

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

デザインミュージアムジャパン
デザインミュージアムジャパン

デザインミュージアムジャパンは日本中に眠っているデザインを見つけ出しその素晴らしさや意義を強く伝えていくプロジェクト。ブクデザイナーの名久井直子と造形作家の竹谷隆之さんを紹介した。100人いれば100通りあるデザインとは。3つの切り口で見ていく。3つのエリアにはそれぞれデザインの宝物を用意した。

第一のエリア

第1のエリアのテーマは「美しさ」。現代アートのキュレーター片岡真実さんが愛知で見つけたのは機能の先にある美しさのデザインだった。片岡さんは「時代に求められる物を作ってきた常滑焼の歴史が非常におもしといなと思って」などと話した。常滑は平安時代から900年以上の歴史を持つ焼き物の町。100年前、フランク・ロイド・ライトの求めに作った帝国ホテルの壁のレンガもその1つだった。道にも家の軒先にも再利用された焼き物が使われていた。電らん管を再利用して作った家を紹介した。スタジオに電らん管が登場。竹谷隆之は「内側もすごく造作がキレイ」などと話した。

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フランク・ロイド・ライト常滑(愛知)旧帝国ホテル

永山祐子さんが滋賀・大津で見つけたのは石垣。最大の特徴は野面積み。石を自然のままほとんど加工性に積み上げる技術。石垣を築いたのは穴太衆。戦国時代全国で城の石垣を手掛けた栗田純徳さんは穴太衆の子孫で15代目、野面積みの技術を今に伝えている。隙間があるのは地震が来たときに崩れなくするためだという。野面積みは作り手の個性がでる。永山さんはここにデザインを見出した。櫻井翔は野面積みの美しさに心を掴まれ兵庫・淡路島を訪れた。野面積みの石垣に守られた洲本城。石垣は現在修復の真っ最中。櫻井が野面積みの石垣に挑戦するも上手く積み上げることができなかった。栗田純徳さんの案内で修復工事の現場を見学させてもらった。石垣の内側に触れると先人から学ぶことが多いという。栗田さんは「500年もたそうと思うとよっぽど丁寧に後ろの作業をしないともたない。見えないところが一番大事」などと話した。

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2025年日本国際博覧会兵庫県大津(滋賀)洲本城淡路島野面積み

スタジオで野面積みを再現。石垣の強さの秘密は2つで1つを支える「品」の字で積むことだった。基本的にはこの組み合わせが美しさの中に強さを生むという。表面に使われる石は基本的に奥行きが長い。奥行きが短い石の裏には大きめの石を置いて補強している。石積みの場合は余白が残されているので何百年もかけて安定していくという。

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野面積み
第二のエリア

第二のエリアのテーマは「遊び心」。音楽家・永積崇さんが愛媛・内子町を訪れた。ここで見つけたのはコテ絵。左官が使う「こて」で絵柄を表現していくもの。こて絵は江戸末期化から明治にかけて全国の左官に広まった技。家主に仕事をもらったお礼として作ったのがはじまり。伝説の左官が作ったというコテ絵を紹介した。左官の市兼武志さんは「コテ絵は遊び心。自分の気まぐれで作ってる」などと話した。

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内子町(愛媛)正木長兵衛

竹谷隆之さんが北海道・留萌を訪れた。デザインの宝と思っているのが漁船を彩る彫刻「化粧板」だった。竹谷さんはたびたび、この化粧板を自信の作品に取り入れてきた。お目当ての化粧板を見て竹谷隆之さんは「船全体の構造のほうが大事。船大工サンのこういう遊び心、心意気がある」などと話した。スタジオに本物の化粧板が登場した。竹谷隆之さんは「化粧板はだんだん消えてしまったものだから、詳しくわからないっていう不思議さというかワンダーさがある」などと話した。

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増毛町(北海道)留萌(北海道)
第三のエリア

第三のエリアのテーマは「豊かさ」。小池一子さんが8月初旬、秋田・西馬音内を訪れた。この地区では毎年この時期、タンスから着物を出しし虫干しが行われる。端縫いという着物は家族のものをほどいて縫い合わせたもの。端縫いを纏って盆に踊ることで先祖供養になっている。中には100年前から受け継がれて来たものもある。スタジオに端縫が登場した。竹谷隆之は「間近でみるとわかるんですけど、すごい丁寧な仕事。境目が本当に丁寧」などと話した。

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西馬音内盆踊り西馬音内(秋田)

名久井直子が山形・関川地区を訪れた。この地域で受け継がれている丈夫でしなやかな織物、しな織。その原料は木の皮だった。気候が厳しく衣服の素材が手に入らなかったこの地域ならではの生きる工夫。20以上の工程を経て1年がかりで糸にする術を生み出した。筒井で寒河江市にある工場を訪れた。ここでは世界最高水準の極細モヘア糸が作られている。極細糸は1958年の機械で作られている。この機械でしか、極細糸を作ることはできないという。極細糸のセーターを着て櫻井は「なんか、柔らかい。包み込む優しさがある」などと話した。

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しな織り寒河江市(山形)
未来に伝えたいデザイン

今回の感想を聞かれ名久井直子は「デザインはやっぱり楽しくなるものだなって認識がもてた」などと話した。

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