- 出演者
- 広内仁 斉田季実治 佐藤真莉子 星麻琴 竹野大輝 吉岡真央 畠山衣美 矢崎智之
オープニング映像。
アメリカ・トランプ大統領の就任から1週間が過ぎた。トランプ大統領、関税、不法移民対策、国際機関からの脱退などの大胆な政策にやつぎばやに着手。30を超える大統領令にも署名。トランプ大統領は「歴史的なスピード」と自賛。一方、各地で懸念の声も上がっている。27日、米国・フロリダ州で演説したトランプ大統領は、外国から輸入される半導体と医薬品に関税を課す考えを示すとともに、次々と政策を実行するスピードを強調し、「アメリカの黄金時代が正式に始まった」と述べた。関税のほかにもトランプ大統領は、WHO(世界保健機関)からの脱退やパリ協定からの離脱などを表明。多様性などの理念を推進するバイデン前政権の政策を撤回する方針も示している。
大きな論争になっている一つが、優先課題に掲げる不法移民対策。ホワイトハウスは24日、「強制送還のフライト開始」のことばとともに画像を公開。すでにメキシコやグアテマラなどへの不法移民の強制送還に乗り出している。アメリカ・トランプ大統領は「悪質な犯罪者を追放している。彼らは殺人者だ。真っ先に追放する」と述べた。アメリカには、正規の手続きを経ずに入国し、滞在する移民が約1100万人いるとされている(ビューリサーチセンター/ニューヨークタイムズより)。このうち、犯罪歴がある、または係争中の移民が約65万人。国外退去を命じられたあとも国内にとどまる移民が140万人いるとされ、移民社会では、どこまで対象が広がるのか、不安を募らせている。
アメリカ・トランプ大統領の移民政策を巡って大きく揺れている街の一つがアメリカ・シカゴ。シカゴでは、不法移民の大規模な強制送還が実施されると報じられたことから、移民社会に動揺が拡大。就任式当日、トランプ大統領の政策に抗議するデモが行われた。中南米出身の移民が多く暮らす地域では「当局が来てもドアを開けるな」との貼り紙も。家族や仲間たちも送還されるかもしれない。移民社会の若者たちの間では、不安を分かち合い、情報を共有するための団体を立ち上げる動きも出ている。団体リーダー・ルーシーアリアスさんは「恐怖は常にあるが、トランプ政権でさらに高まった」と語った。
移民の家庭だけでなく、長年移民に労働力を頼ってきた自治体にも、動揺が広がっている。全米の中で最も高齢化率が高い州の一つメーン州。働き手不足が深刻化する中、積極的に移民や難民を受け入れてきた。最大都市・ポートランドにある公立の教育施設では、英会話や認定看護助手の資格取得を目的とした授業を提供。現在約1800人の移民が通っている。この2年間で35人の卒業生が資格を取得。州内の医療施設や看護施設で働いている。施設で実技を指導している看護師・エイミービバさんは、アメリカ・トランプ大統領の移民政策で「人手不足が加速するのではないか」と懸念を募らせている。こうしたことから、メーン州では、トランプ大統領の就任翌日、州政府の中に移民支援の新たな部署を開設。トランプ政権の方針とは逆行して、移民の受け入れを強化する姿勢を示している。メーン州教育省成人教育の責任者は「人口が減る中、メーン州の経済に貢献したい人がいるのは素晴らしいこと」と述べた。
ワシントン支局・高木優支局長が解説:アメリカ・トランプ大統領の不法移民対策、アメリカ全体mの受け止めは?「アメリカ国民の半数以上が不法移民の強制送還を支持。犯罪歴のある人に限定すれば、支持が87%にまで跳ね上がり、トランプ政権がまずは国民の支持を確実に得られる対象者から着手したことが分かる。アメリカ社会は移民の労働力に多くを依存しているうえ、民主党が地盤の地域では、人権上の観点から強制送還への反発が根強くある。史上最大規模の強制送還を宣言したトランプ大統領だが、実際はかなり難しいかじ取りを強いられていると見られる」、就任からの1週間どう見る?「8年前と比べて際立っていることが2つ。1つは用意周到さ。出した大統領令の数は37に上り史上最多。もう1つは共和党のいわゆるトランプ党化の加速。象徴したのが、国防長官へのヘグセス氏の指名承認。過去に女性への性的暴行の疑いで捜査を受けていたことなどが報じられ、当初共和党内でも人選を疑問視する声が少なくなかった。しかしトランプ大統領氏が繰り返し支持を表明すると、承認やむなしという空気に変わった。根底に、選挙で国民の審判を経たことから来る強い自信があることは間違いない。対外的に関税を振りかざして、圧力をかける姿勢を強めていることを含め、今のところ野党民主党側も、事態を見守るしかないというのが実情」。
国会ではきょうから参議院でも代表質問が始まった。衆議院では、与党側があす行うことを目指していた新年度予算案の趣旨説明が見送られる事態となった。政治とカネの問題で、野党側が旧安倍派の会計責任者の参考人招致を求めたのに対し、自民党は反対し、折り合わなかったため。国会は序盤から与野党の攻防が繰り広げられている。参議院でも始まった代表質問。政治改革を巡って立憲民主党・水岡参院議員会長は「国民の“政治とカネ”の問題に対する不信と怒りに率直に向き合い、本気の政治改革として法改正に臨む気持ちはあるか」とただし、石破首相は「政治に対する国民の信頼を確保するため、政党の規律と担保方策、そのための法制度などのあり方について、議論を深めていきたい」と述べた。SNS上の偽情報などへの対応について、自民党・武見参院議員会長が「人権を侵害したり、民主主義をゆがめたりすることがないよう、法律的にも厳しく規制していくことの必要性を議論すべき時が来ている」とただし、石破首相は「表現の自由には十分に配慮しながら、どのような情報を流通させることが違法かを明確化したガイドラインを早期に策定するなど制度的対応も含めた総合的な対策を進めていく」と述べた。
衆議院の代表質問は2日目。新年度予算案を巡って、立憲民主党・重徳政調会長は「国民が直面する物価高にどう対処すべきか、経済と財政をどう両立させるのか。当初予算には野党各党の修正要求を取り入れ、より多くの国民の意見を反映させるべき」とただし、石破首相は「党派を超えた合意形成を図るためには、与党、野党ともに責任ある立場で熟議し、国民の納得と共感を得られるよう努めることが必要。真摯に議論していく」と述べた。年収103万円の壁の見直しについて、国民民主党・西岡秀子衆院議員は「自民党、公明党からの提案は123万円への引き上げで、到底受け入れられない。公党どうしの“3党合意”は極めて重いもの。増えすぎた税負担を適正な水準に抑制し、物価高騰で苦しむ国民生活を守るべき」とただし、石破首相は「合意した内容の実現に向け、引き続き政党間で協議が進められている。物価高対策は、賃上げこそが成長戦略の要との認識のもと、総合的に対応していく」と述べた。
核兵器禁止条約の締約国会議を巡って、公明党・斉藤代表は「日本が3月に開催される第3回締約国会議にオブザーバー参加し、核保有国と非保有国の対話を通じ、橋渡しの役割を果たしていくべき」ただし、石破首相は「まざまな要素やこれまでの経緯の検証結果を総合活注意深く考慮しつつ、締約国会議への対応につき適切に判断する考え」と述べた。経済政策を巡って、れいわ新選組・大石共同代表は「“楽しい日本にしよう”と言われてもドン引きしかない。今やるべきことはすべての人の手取りを大幅に増やすこと。一番シンプルでスピーディーなのが消費税廃止と一律給付金。責任ある積極財政への転換が必要」とただし、石破首相は「わが国は急速な人口減少に直面し、状況を反転させ活力を取り戻す必要がある。消費税は全世代型社会保障制度を支える重要な財源。(税率の)引き下げを行うことは適当ではない」と述べた。
政治とカネについて、共産党・田村委員長は「“裏金”は終わったことなのか。施政方針演説にひと言もなかったのはなぜか。いつから誰の指示で始まったのか何も明らかにならないまま幕引きすることは許されない」とただし、石破首相は「大切なことは二度と同様の事案を繰り返さないこと。改正された政治資金規正法を順守するとともに、党として政治改革の議論を率先して行っていく。幕引きが終わったとは考えていない」と述べた。
衆議院での代表質問のさなか、議場では与野党それぞれで、国会対策委員長と予算委員会の筆頭理事が話し込む姿が。衆議院予算委員会はきょう、断続的に理事懇談会を開き、自民党旧安倍派の会計責任者の参考人招致について協議。野党側が重ねて参考人招致を求めたのに対し、自民党は「全会一致が原則だ」と主張。「立法府が司法で判断が出たものに立ち入るべきではない」などとして、反対する考えを示し折り合いなかった。衆議院予算委員会・安住委員長は与野党でさらに調整するよう求め、与党側が目指していたあすの委員会での新年度予算案の趣旨説明は見送られることになった。安住委員長は「与野党合意のもとで、予算案の審議をスタートしたい」、衆院予算委与党側筆頭理事・自民党・井上信治衆院議員は「予算の審議が延びるようなことは避けたい」、衆院予算委野党側筆頭理事・立憲民主党・山井和則衆院銀は「円満に予算審議を始めるためにも、自民党に参考人招致に関しては全会一致になるように決断してほしい」と述べた。野党側が繰り返し求めている、旧安倍派の会計責任者の参考人招致。自民党は反対しているが、きょう午前の与党の幹事長らの会談では、公明党からも「衆議院予算委員会で招致するかどうか採決が行われる場合、賛成する」考えが伝えられた。新年度予算案の審議に入れるのか、参考人招致の取り扱いについて、与野党の調整が続くことになる。
中国では旧正月の春節に合わせた8日間の大型連休がきょうから始まった。中国の大手旅行会社が調べたことし人気の国外旅行先では、タイやマレーシアを押さえて1位となったのが日本。旅行の目的にも変化が見られる。早速、各地には、中国や台湾などから多くの人が。列島各地がにぎわいを見せている。観光客のお目当ては温泉につかるサル。北海道・函館市熱帯植物園・鈴木一郎園長は「怒涛のように押し寄せるように観光客が来るのは初めての経験。函館市の観光名所には寒さをものともせず、夜景を楽しもうと人が集まった。東京大学の赤門前には、中国などからの観光客が次々と訪れていた。なぜ日本で大学を訪れたのか。中国から子どもを連れてきた母親が語ったのは、中国国内の厳しい競争社会の現実だった。迫力ある富士山も楽しめる静岡・裾野市のスキー場には、春節に合わせて多くの外国人観光客が訪れている。去年の1月と比べて、すでに約2倍もの外国人観光客が訪れているという。特に人気なのが、そり遊び。外国人客の約8割が、中国や台湾から。このスキー場では、インバウンド客専用のレーンを用意。中国語に対応できるスタッフも配置。スキー場・羽田昌史マネージャーは「ここ1週間くらいで、(観光客数が)かなり急激に伸びている」と語った。中国のSNSで話題となったという、富士山をバックに撮れる雪景色。きょうも雲の合間からのぞく富士山を狙って、多くの人がカメラを向けていた。観光客の中には、日本旅行のリピーターも。
近年、中国などからの訪日客の傾向に変化が生まれていると分析するのは、インバウンドに詳しい企業・辰巳亮さんは「日本ならではの風景を楽しむ観光に行くことが多い。ものを買うより、より現地のものを楽しみたい。風俗、習慣に親しみながら楽しむという考えが増えてきた。“爆買い”からコト、事象を買うような“コト買い”に変わってきている」と述べた。ただ訪日客の受け入れには課題もある。映画のロケ地として知られる北海道小樽市・船見坂。連日、国内外から観光客が多く訪れる一方、車道に出て写真撮影する人が相次いでいる。市は、春節の大型連休に合わせて警備員3人を新たに配置。さらに日本語や英語のほか、中国語などで車道で撮影しないよう促す看板を掲示した。小樽市観光振興室・松本貴充主幹は「多くの観光客に鍛えもらいたい一方、地域住民の生活の質に影響が出ている。危険な行為が防げれば」と語った。
言語の壁を最新のテクノロジーを導入して乗り越えようという動きが出てきている。春節に合わせて、東京・秋葉原にあるメイドカフェに試験的に導入されるのが、AI(人工知能)を使って100種類以上の言語をリアルタイムで翻訳、表示する最新のシステム。都内にあるベンチャー企業が開発。この店は、中国でもよく知られている老舗のメイドカフェ。ただことばの細かいニュアンスなど、接客の際に難しさも感じてきた。メイド歴20年、生きる伝説ともいわれるレジェンドメイド・hitomiさんが、早速接客で使用。hitomiさんは「いつも以上にメイドの世界観を届ける意味でやりがいは感じた」とコメント。システムを開発した企業は、今後、接客の現場で幅広く活用されることを目指している。都内のベンチャー企業広報・山田泰裕さんは「言語の壁に対応できる人は少ない。最先端技術で解決、貢献できれば」と述べた。
中国系の動画共有アプリ、TikTokを巡り、アメリカ政府が親会社に対して、アメリカ事業の売却などの対応を検討するよう促す中、アメリカ・トランプ大統領は27日「IT大手、マイクロソフトが買収を検討している」と明らかにした。トランプ大統領は「ほかにも検討している企業がある」と示唆し、「私は入札合戦が好きだ。最良の取り引きができるからだ」と述べた。IT大手が乗り出したことで、アメリカ事業の行方に関心が集まりそう。
アメリカの新たな財務長官に、ヘッジファンドの創業者・スコットベッセント氏が承認された。ベッセント氏は、アメリカ・トランプ大統領が表明したすべての国からの輸入品に一律で関税を課す措置について「税率を段階的に引き上げる案を支持している」とイギリスのメディアが報じている。初めに2.5%の関税を導入したうえで、その後は毎月2.5%ずつ引き上げていく形で、最終的に20%まで引き上げられる可能性があるとしている。
全国の天気予報を伝えた。
いよいよ新横綱が誕生する。大関・豊昇龍が、あすの正式決定を前に心境を話した。豊昇龍は「わくわくするし、それぐらいに緊張もある」と語った。初場所で2回目の優勝を果たした豊昇龍。あす日本相撲協会の臨時理事会で、横綱昇進が正式に決まり、その後伝達式に臨む。注目は、決意を述べる口上。豊昇龍のおじ・朝青龍は「横綱として相撲道発展のため“一生懸命”頑張る」、一方で豊昇龍が大関に昇進した際には「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃の精神で努力する」と述べていた。あすはどんなことばで新横綱の決意を述べるのか。豊昇龍は「あした楽しみにしていてください」と語った。
タイガーウッズ選手などが発起人となった新しいリーグが今月開幕。競技の新たな楽しみ方を提示。今月開幕したTGLと呼ばれる新リーグ。アメリカ・フロリダ州にある大学の一角に新設されたアリーナが会場。50ヤード以上のショットは、大型スクリーンに向かって打つ、いわゆるシミュレーションゴルフ。会場にはグリーンやバンカーが設置されていて、会場に訪れた客は、間近で選手たちの技術を見ることができる。短いアプローチやパットは施設内に設置されたグリーンやバンカーなどを使い、計15ホールで各ホールの勝敗をポイント化して競う。設立したのは、ウッズ選手とローリーマキロイ選手の2大スター。エンターテインメントを強く意識したもので、最新技術を活用した新しいスポーツの展開にもつながると期待されている。1試合は2時間程度と時短も意識。従来のゴルフの大会に比べて非常に短く、会場のファンは、声援や歓声を自由に上げることもでき、競技の新たな楽しみ方を提示。ウッズ選手は「思い描いていたことを実現できた」とコメント。新リーグには、松山英樹選手も出場予定。
スピードスケート界のホープ、21歳の吉田雪乃選手に注目。おちゃめな一面も見せる21歳だが、リンクに上がると表情は一変。小学4年生から本格的に競技を始め、12年目の今シーズン。一気に女子短距離で世界のトップを争う選手に成長。W杯初戦。得意の500mで自己ベストをマークして初優勝。第2戦でも記録を更新し、2勝目を挙げた。この種目での日本選手の優勝は、五輪金メダリスト・小平奈緒さん以来。昨シーズンは表彰台に上がれなかったが、地道な取り組みで、筋力と持久力が向上したことが躍進につながった。しかし上り調子で挑んだ先月の全日本選手権。初優勝を狙った大会で、日本の第一人者・高木美帆選手が立ちはだかった。課題に感じたのは、経験の差からくる精神面の弱さ。今後は精神面も磨いて、さらに成長したいという。最大の目標は、来年2月の冬の五輪。夢をつかむため、レースに出続けることで経験を積んでいこうとしている。吉田選手は「3月にノルウェーで行われる世界距離別選手権でメダルを獲得して、五輪シーズンに弾みをつけられたらいい」と語った。